「いずれにせよ」の意味と書き方
「いずれにせよ」とは「どちらにしても」「どっちみち」「どうせ」という意味です。もともとは「どれ」「どちら」という意味の「何れ(いずれ)」に、仮定をいみする「~にせよ(~にしても)」という言葉を併せたものです。
「いずれにせよ」の使い方
「いずれにせよ」という言葉は、日常生活やビジネスシーンで比較的頻繁に使われます。また、口頭だけでなく、文章中で使われることも多い言葉です。「いずれにせよ」という言葉を正しく使うために、使い方についても確認しておきましょう。
「いずれにせよ」は複数の選択肢が必要
「いずれにせよ」という言葉は「どちらにしても」という意味です。「どちらにしても」は、少なくとも2つ以上の選択肢がなければ成立しない言葉です。選択肢が1つしか場合に「どちらにしても」は使うことができません。
これが「A案しかなく、そのA案が良いと思っている」という場合は、選択肢が2つ以上ありませんので「Aが良いが、私たちだけでは決められない」など、「いずれにせよ」という言葉自体が不要となります。
「いずれにせよ」は目上の人へも使える
「いずれにせよ」という言葉は、言葉自体にフォーマルな印象があるため、目上の人へ向けても使うことができます。上司やクライアントなどへ「どっちみち」など、カジュアルな言葉を使うとビジネス感がなくなりますが、「いずれにせよ」を使えばその心配はありません。
また「いずれにせよ」は文章にしても自然であるため、提案書などにも使うことができます。
連絡をもらうかもらわないか、という2つの選択肢に対して「どちらにしても来週来る予定があります」と回答していることから、先方からの連絡に関係なく来社するということがわかります。
「いずれにせよ」を使った例文
高速と一般道のいずれにせよ、到着の遅れは免れないでしょう。
何れにしましても、料金と所要時間は変わりませんので、皆さんに喜んで頂けるコースをお選びください。
いずれにせよ、避けて通れないことですから、十分な準備をしておいてください。
何れにしましても、私はお役に立てませんので、このお話はお断りさせて頂きます。
いずれにせよ、一般庶民には関係ない話だね。
「いずれにせよ」を使うときの注意点
「いずれにせよ」という言葉を使い慣れると、何かと臨機応変に対応できるような印象を相手に伝えることができます。しかし、あまりに「いずれにせよ」を使いすぎると、人によっては「投げやりな人」「予定を立てられない人」と思われることもあるので注意しましょう。
また、2つ以上の選択肢がない状態で「いずれにせよ」を使うと、「どうせ」という意味に取られかねません。特にビジネスシーンでは通常「どうせ」という言葉は使われることがなく、相手の脳内で「どうせ」に変換されるとネガティブな印象として残ります。