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「収束」の意味と読み方
「しゅうそく」という言葉は、連日テレビや新聞で見聞きします。なんとなく「終わり」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
まずは「収束」の意味と、読み方について解説します。
「収束」とはまとまらなかったものが一本化すること
「収束」とは、それまでまとまらなかったものの間に、次第に関連付けや歩み寄りが見られ、最後に一本化が実現することです。
ストライキがやようやく収束に向かった
かなり意見が割れていた、新商品のデザイン案がやっと収束しそうだ
まずは、この状況の収束を目指して、もう一度みんなで話し合いましょう
それまでバラバラになっていた物事が、徐々に歩み寄りを見せ、最終的に一本化することを「収束」と言います。
例文のように、目指す方向性は同じだけれど、やり方や考え方の違いがまとまるようなイメージです。
数学的な意味もある
「収束」には、もう一つの意味があります。それは「数学」で「数列が、先に行くにしたがって限りなく近づいていくこと」です。
数学用語のひとつなので、一般的に広く認知されている言葉ではないかもしれません。
しかし、数学的な意味の「収束」も、やはり「離れていたものが徐々に近づいてくる」という点は共通しています。
「収束」の読み方は「しゅうそく」
「収束」の読み方は「しゅうそく」です。
「収」には「おさめる」、「束」には「たば」という別の読み方もありますが、「収束」という熟語になると「しゅうそく」としか読めません。
「収束」の使い方と例文
次に、「収束」の使い方を例文と一緒に解説します。
それまでバラバラだったものがまとまる様子を表す場面
ある時からある時まで、何らかの事情や考え方の違いによって、バラバラになっていたものがひとつにまとまる様子を表したい場面で「収束」が使えます。
社員とパート・契約社員と、それぞれに要望はありましたが、何とか収束できそうです
課員の中でもかなり意見が割れているので困っているのですが、今田中君が収束に向けて頑張ってくれています
今回の件で、みんなの気持ちはバラバラになってしまったけれど、私はきっと収束できると信じているよ
「終息」との違いは大きな混乱状態の有無
「しゅうそく」と同じ読み方をする漢字に「終息」があります。この「終息」は、止んで欲しいと思っていた混乱状態がすっかり終わること、を意味します。
早くコロナが終息して、以前のような生活が戻ってきてほしいものです
この事態の終息はまだ先になりそうだと言われています
社内は次回の役員会のことでかなり混乱している、なんとか終息させてもらわなければ社員はたまったもんじゃないよ
「収束」の言い換えに使える類語
次に、「終息」と似た意味を持つ類義語について解説します。
収拾
「収拾(しゅうしゅう)」とは、混乱した状態を上手く収めることを表す言葉です。
こんな状態では、収拾にあたることもできないよ
何とか収拾を急がなければ、来週のイベントは開催できないだろう
「収拾」は「収拾にあたる・収拾に急ぐ・収拾がつかない」などの形で使われることが多く、混乱した状態を早く収めようとする様子を表します。
「収束」よりは「終息」に近い意味の言葉で、出来事や事態について使われる点が「収束」との違いです。
まとめる
「まとめる」とは、個々のものを集めるようにすることを意味します。
早く意見をまとめて提出してください
課員をまとめて混乱を起こさないようにするのも、課長の務めです
「まとめる」は日常的にも頻繁に使われている言葉です。
「収束」は、バラバラになった意見や物事をひとつにする、という意味ですが、「まとめる」は物事や人の気持ち、または物を一か所に集めるという意味があります。
「収束」の英語表現
最後に「収束」の英語表現について解説します。
「収束」は英語で「normal」
「normal」は「ノーマル」という言葉で、日本人にも比較的なじみのある言葉です。
I hope things get back to normal soon.(早く収束するといいですね)
He said 「If things return to normal when I meet Grandpa」(彼は、収束したらおじいさんに会いに行くと言った)
「normal」が意味する「普通」を、物事が収束するという意味で使うことができます。例文では、「早く普通が戻ってきて欲しい=早く収束して欲しい」と言っているのです。