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目上へのメールの書き方
社会人になると毎日何らかのメールを作成することになります。
しかし「目上の人へ向けたメールの書き方に自信が持てない」という人は意外と多いようです。
今回は「目上の人へ向けたメールの書き方」について解説します。
宛名
ビジネスシーンで作成するメールの宛名は、基本的には「名前+さん」または「名前+役職」です。相手に役職がついているのであれば「佐藤部長」など、「名前+役職」を使います。
役職がついていない目上の人の場合、「名前+さん」を使うので「佐藤さん」などとなりますが、さん付けをするのに気が引ける場合は「佐藤様」と、「様」を使っても良いでしょう。
ただし、相手が社内の人なら「様」を少し大げさに感じる人もいるかもしれません。
役職の後に様はつけない
「名前+役職」で宛名を書くとき、「様」は使わないこともきちんと覚えておきましょう。役職は敬称の役割を含んでいます。そのため「佐藤部長様」とすると「佐藤様様」と言っているのと同じです。
社外の人は「役職+名前+様」
メールを送る相手が社外の人の場合は「役職+名前+様」とします。役職と様を一緒に使いますが、その順番に注意が必要です。
〇 株式会社田中物産 営業部長 鈴木様
× 株式会社田中物産 鈴木営業部長様
複数の人へ送る場合は「各位」
1通のメールを複数(目安は4名以上)の人へ宛てる場合は「各位」を使います。「各位」とは、「それぞれの地位」という意味で、複数の相手の地位すべてに敬意を表す言葉です。
「各位」とだけ書いても良いですし、「宛先各位」と書いても問題ありません。ただし「各位」は「〇〇様」「〇〇課長」などとは併用ができません。「各位」「宛先各位」と書く場合はそれだけで宛名とします。
複数の目上の人へ送る場合は「役職順」
メールの宛先が複数人数で、「各位」を使うほどの人数でない場合(2名~4名ほど)は、個人の名前を宛名にします。この場合、宛名に入る人々を役職順にならべなくてはいけません。
〇 佐藤部長、田中課長、鈴木係長、高橋さん
× 田中課長、高橋さん、鈴木係長、佐藤部長
役職が同位の場合は、年齢や勤続年数などを元に順番を決める、というビジネスマンもいます。しかし役職がなければ、宛名の順序にはそこまで注目されず、厳密な順序でなくても良いかもしれません。
目上の人へのメールの書き出し挨拶
目上の人であっても、メールの書き出しに決まりはありません。一般的なビジネスメールと同様に「お疲れ様です」などの挨拶から始めると良いでしょう。
目上の人へも「お疲れ様です」は使って良い
「お疲れ様」という言葉は、相手が同僚や後輩であっても使うため、何となく目上の人へ使いにくいと感じる人は多いようです。
しかし、相手が目上の人であっても「お疲れ様です」と丁寧語にすれば、使っても問題ありません。
田中部長
お疲れ様です、鈴木です
佐藤課長
お疲れ様です、鈴木です
相手が自分よりもかなり地位が高く、「お疲れ様です」と言いにくい場合は「お疲れ様でございます」とすることもできます。
久しぶりに連絡をする場合
メールを送る相手の目上の人と、久しぶりに連絡をとるのであれば「お久しぶりです」や「ご無沙汰いたしております」などが使えます。
佐藤様
お久しぶりです、田中商事の山本です
株式会社山本商事 田中様
ご無沙汰をいたしております、佐藤物産の鈴木でございます
初めて連絡をする場合
これまで相手と面識がなく、他者の紹介などで初めて連絡をする場合は「初めまして」または「初めてご連絡いたします」などが使えます。
佐藤様
初めまして、田中商事の山本と申します
株式会社山本商事 田中様
初めてご連絡いたします、私は佐藤物産の鈴木と申します
お礼のメールをする場合
目上の人へお礼を伝えるために送るメールでは、最初の挨拶の後に「本日は〇〇のお礼をお伝えしたく、ご連絡いたしました」などの文章を付け加えます。
田中部長
お疲れ様です、佐藤です。
本日は、昨日のお礼をお伝えしたくご連絡いたしました
昨日は、〇〇にて〇〇をしていただき、誠にありがとうございました
鈴木商事
鈴木様
いつも大変お世話になっております
株式会社田中の佐藤でございます
本日は、前回の後援会へご出席いただいたお礼をお伝えしたく、ご連絡いたしました
依頼をする場合
仕事上や私用などで、相手に何かしらのお願いや依頼をしたい場合は、挨拶の後に「本日は折り入ってお願いしたいことがあり、ご連絡いたしました」などの文章を付け加えます。
田中様
ご無沙汰をいたしております
〇〇株式会社でお世話になりました、佐藤でございます。
ご多用の中、大変恐縮ではございますが
本日は折り入ってお願いしたいことがあり、ご連絡いたしました
鈴木部長
お疲れ様です
〇〇部の佐藤です
本日は、鈴木部長にご対応をお願いしたい案件があり、ご連絡いたしております
目上の人へのメールの終わり方・締め
メールも口頭や手紙と同じで、最後は締めて終わります。メールの締めで多いのは「それではよろしくお願いいたします」や、「今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」などでしょう。
相手が目上の人であっても、締め文に大きな変化はありません。
以上です。お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
それではご確認のほど、よろしくお願い申し上げます
また追って詳細についてご連絡いたします。引き続きよろしくお願いいたします。
例文のように「お忙しいところ恐れ入りますが」や「ご確認のほど」など、状況に合った一言を付け加えると良いでしょう。
目上の人からのメールへの返信
最後は、目上の人から届いたメールに返信をする場合です。目上の人からのメールであっても、通常のメール返信と同様に返信メールを作成します。
宛名や書き出しは新規作成時と同じ
返信メールであっても、宛名はきちんと書きます。この場合でも、宛名の書き方に変わりはありません。書き出しの文章も、基本的には「お疲れ様です」「お世話になっております」など、特に返信メールだからと言って変わりはありません。
メールの内容に対して返事をする
目上の人から届いたメールに返信をする場合の多くは、メールの内容に対する回答が必要です。回答はできるだけ簡潔で、それでいて失礼でない文章で書く必要があります。
田中部長
お疲れ様です、佐藤です。
〇〇の件でご連絡をいただき、ありがとうございます。
内容について承知いたしました。
ご指示をいただいた通り、A社ご担当者様へ明日の10時にお越しくださるよう連絡をいたします。
先方と正式にお約束ができましたら、改めてご連絡をいたします。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
この例文から「田中部長から、A社の担当者を明日の10時に呼んで欲しい」と希望されたことがわかるでしょう。返信メールに書いた「回答」は「内容について承知いたしました」というところだけで、後の文章は、これからの動きについての報告です。
できるだけ短い言葉で、不要な言葉を省くように意識すると、読みやすいメールが作成できます。
目上の人へのメール例文
【久しぶりに連絡をする場合の例文】
株式会社〇〇
営業部 田中一郎様
ご無沙汰をいたしております。
昨年9月のA社新作コンペでご一緒させていただきました、株式会社××営業部の佐藤太郎でございます。
その節は、大変お世話になりました。
本日は、弊社営業部主催の異業種交流会についてのご連絡でございます。
私どもの業界も多分に漏れず厳しい状況が続いており、これまで通りのやり方では難しい部分も出て参りました。そこで、弊社社員より他業種の方々と交流して学びを深めたい、という申し出があり開催に至りました。
詳しい日時等については現在調整中でございますが、まずはご参加者数を把握したく存じます。
お忙しい中大変恐縮ではございますが、参加の可否と参加の場合のご希望日程・人数等をお知らせいただけますと幸いです。
急な話で大変恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
【初めて連絡する場合の例文】
株式会社〇〇
営業部 ご担当者様
初めてご連絡させていただきます。
私は、ネット通販事業者の株式会社××の営業部に所属しております、田中一郎と申します。
本日は、貴社へぜひご紹介したいサービスがあり、不躾ながらこのような形でご連絡させていただいております。
——-内容——-
以上でございます。
急なご連絡でご迷惑かとは存じますが、このサービスは消費者の生活だけでなく、携わる企業様にもメリットが多いと考えております。
何卒ご検討いただきますよう、お願い申し上げます。