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自己PRとは
「自己PR」は主に新卒や転職の面接時に必要となる、自分の良い部分のアピールです。相手に自分の長所や強みを知ってもらい「この人が欲しい」と思わせることが目的です。
自己PRは口頭で行うこともありますが、文章にして提出することも多いものです。まずは、口頭・文章のどちらにも共通する「自己PRの基本」について解説します。
経験や実績をどのように生かすのか
自己PRの柱は「自分の長所や強み」です。そこでありがちなのが「自分は〇〇と〇〇ができます」「〇〇の実績があります」というフレーズでしょう。
しかし、自己PRはそれだけでは足りません。大切なのは「その長所や強みを、その企業でどのように生かすのか」という点だからです。
それだけでなく、自分をどのように生かせるかという点を言葉や文章にできることで「この人はうちの企業の仕事内容や、欲しい人材を理解できている」と感じてもらえます。
自己PRは言葉にしにくい「熱意」を伝えられるチャンス
企業も人と同じで「どこの企業でも良いから就職をしたい」と漠然と考えている人より、「どうしてもこの企業に就職がしたい」という熱意を持った人を望んでいます。
しかし、この「熱意」は言葉や文章で伝えるのが大変困難です。子供の頃のように「頑張ります、やる気があります」というだけでは伝わりません。
そこで役立つのが「自己PR」です。
自己PRの例文
以下は自己PRの例文です。長所や強みをどのように伝えているかという点に注目してみましょう。
希望職種:営業職
長所:フレンドリーな性格
強み:人の懐に入るのが上手い
私の長所は、人見知りをせず初対面の人ともすぐに打ち解けられることです。これは相手が年上の方でも、人見知りをする人でも変わりません。就職活動を機にある先輩に自分の強みについて相談したところ「君の強みはいつの間にか相手の懐に入り込んでしまうことだ」と言っていただきました。営業職は、まずは話を聞いてもらうところから始まる、と言われています。自分の長所と強みを生かした働きができれば、貴社の業務に貢献できるのではないかと考えています。
自己PRの書き方
では、具体的な自己PRの書き方について解説します。
① 自己PRの大枠を作成する
自己PRを書くのが苦手という人は、まずは「自己PRに書く内容を書きだすこと」から始めましょう。大体どういうことを書きたいのか、と大枠で考えて作成すると書きだしやすくなります。
このときに書きだすのは、主に以下の3つの項目についてです。
・仕事に生かせる長所を1つ選ぶ
自分の長所の中から「仕事に生かせそうなもの」を1つ選びだします。この場合のコツは「生かしたい仕事から逆算するのではなく、自分が仕事に生かしたいと考えている長所を純粋に考える」ということです。
逆算をして長所を選ぶと、自己PRを書いている途中で行き詰まりやすくなります。
・長所であると実感したエピソードを思い出す
次に、選んだ長所を「いつ、どんな場面でこれが自分の長所だと感じたのか」を思い出します。自分で長所と思っていることの多くは、人から褒められたり感謝をされた経験に基づいていることが多いからです。
人からの評価でなくても、自分の長所によって生み出された空間や雰囲気を思い出すのも良いでしょう。
・長所を志望企業でどのように生かせるか考える
最後に、そのエピソードを自分が志望する仕事に当てはめて考えてみます。
また、この「長所を仕事で生かせるか」というイメージは、志望する企業や職種のことをある程度理解していないとできないことです。
長所が仕事で生かされる様子がイメージできないわけではないけど、全体的にぼんやりしている、と感じる場合は企業研究や職種研究をやり直してみると良いかもしれません。
② ①の内容を仮の文章にする
自己PRの大枠ができたら、上記を大枠の文章にしてみます。この時点ではあくまでも「仮」の文章なので、あまり考えすぎる必要はありません。
箇条書きにした文章を並べるだけ、という意識で取り組むと良いでしょう。
③ 短い文章をつないで添削をする
最後に、仮の文章をつないで自己PRを完成させます。自然な接続詞と語尾であることに注意をしながら文章を組み立てましょう。
自己PRは上手い文章である必要はありません。企業が知りたいのは志望者の文章力ではなく、その人の長所と仕事で生かせる可能性です。
自己PRの注意点
日常で自分の長所や強みについて話したり、書いたりする機会は多くないでしょう。だからこそ、いざ自己PRを考えようとするとつい力が入ってしまいます。
自己PRの内容をうまく伝えるために、以下の注意点に気を付けましょう。
【文章】短い文章でわかりやすく書く
自己PRを文章で伝える場合は「わかりやすい」が第一です。新卒・転職を問わず、先方は何十人・何百人の自己PRを読みます。少しでも、わかりにくい・何を言いたいのかピンとこない、と感じれば記憶に残せません。
- 短い文章をいくつもつなげるように意識する
- 句読点を適切に打つ
- 頭の中にある表現の中でもっとも簡単な言葉を用いる
- 接続詞を正しく使う
難しい言葉や表現を使う必要はなく、とにかく「伝える」ことに注力します。書き終えたら、一度声に出して読み返し、誤字脱字の確認や文章のリズムを整えると安心です。
【口頭】自分の言葉で話す
自己PRを口頭で伝える場合も、やはり「わかりやすい、伝わりやすいこと」が第一です。さらに、自分の言葉で話すことにも気を配りましょう。
- 最初から最後まで自分の言葉で話す
- 顔と体を相手に向けて、背筋を伸ばして話す
- 相手の耳に届く声のボリュームを心がける
- 語尾まできちんと発音する
- 「あのー」「えっと」「うーん」などは極力発しない
- 略語や専門用語を使わず、誰が聞いても理解できるように話す
「自分の言葉」とは、誰かの言ったことを丸暗記して話したり、本に書いてあることをそのまま話すのではなく、自分が考えていることを自分が考えた文章で話す、という意味です。