「すこぶる」の意味
「すこぶる」には以下のような意味があります。
「すこぶる(頗る)」は予想以上の程度
「すこぶる」は漢字では「頗る」と書きます。意味は「何かの状態が予想以上の程度である様子」です。普通ではない、大変と言い換えることもできます。
今日の彼はいつも以上にすこぶる元気だ
部長のお嬢さんはすこぶるかわいいと社内で評判になっている
昨夜は取引先の方と食事で、すこぶるおいしいお肉をいただいた
「頗」には「一方に偏った」という意味があります。公平ではない、という
「頗る付き」は非常に甚だしいこと
彼女は頗る付きの美人だ
今回の業績は頗る付きと言っても良いほど、前年比を非常に大きく上回った
頗る付きというほどではないかもしれないが、彼はかなり仕事ができる人ではある
「すこぶる」の使い方
すこぶる健康
「すこぶる健康」とは、大変健康で調子が良いという意味です。「健康」は本来「肉体的・精神的な状態」のことですが、一般的には「健康」だけで病気やケガがなく、調子が良い様子xを表します。
あなたはいつ会ってもまさにすこぶる健康、話しているだけでこちらまで元気になる
彼も昔はすこぶる健康だったのだが、この数年は目に見えて体調が悪そうだ
母はすこぶる健康とまではいきませんが、昔からの持病もこのところ落ち着いています
「すこぶる健康とはいかないが」など、否定の言葉と一緒に使えば「元気はつらつということではないけれど、まぁ元気にしている」という意味にもなります。
すこぶる機嫌が悪い
今日の彼女はいつもに増してすこぶる機嫌が悪い、きっと仕事で何かあったのだろう
先週の私は、恥ずかしいことにすこぶる機嫌が悪く…今思えば田中さんには悪いことをしてしまいました
よりによって部長の機嫌がすこぶる悪い日に遅刻してしまうなんて、君もツイてないね
この他にも「すこぶる不調」「すこぶる下手」など、「すこぶる」を使って良くない様子を伝えることが可能です。
「すこぶる」の言い換えに使える類語
「すこぶる」と似た意味を持つ言葉はたくさんあります。以下ではその中から、「すこぶる」の言い換えに使える類語をいくつかご紹介します。
しこたま
「しこたま」とは「必要以上と思われるほど多くの」という意味です。主に、何かを集めたり、飲み食いをしたりする量を指します。
彼は今夜もしこたま酒を飲んでいる
課長は部長のために、しこたま金を集めたそうだ
年末はしこたま食材を買って、大人数でカウントダウンをするのが我が家の習慣です
「すこぶる」が「何かの状態が予想以上の程度」であるのに対して、「しこたま」は「物理的な物の必要以上の量」です。そのため目に見える物がたくさん、ということを表したい場合は「しこたま」の方を使います。
はなはだ
「はなはだ(甚だ)」とは、その事態の程度が一般的ではないことを表します。主には好ましくない事態について使われ、その事態が信じがたいほど不快であるというニュアンスです。
人の家にことわりもなく上がり込むとははなはだおかしな考えだ
入社2年目の私が責任者だなんて、はなはだおかしな人事だろう
こんな仕打ちをされるとは、はなはだ遺憾、さすがに法的措置を考えざるを得ない
「はなはだ」は「誰がどう考えてもおかしい・誰が聞いても不快に感じるだろう」と思われる内容に使われます。言い換えるなら「絶対に・大いに」などです。
こよなく
「こよなく」とは「比べるものがないほどの程度」という意味です。好ましい・ポジティブな対象について使われ、主には「こよなく愛する」という形で、その対象を予想以上に好んでいる様子を表します。
彼は飼っているネコをこよなく愛している
部長がこよなく愛しているお孫さんは今年で5歳だ
彼女は焼肉をこよなく愛している
「こよなく」は「すこぶる」よりも、その対象を深く愛することに特化した言葉です。その対象をどれだけ愛して、好んでいるかという気持ちの強さを表します。