目次
「月並み」の意味と語源
会話の中で「月並みですが」というフレーズを聞いたことがある方は多いと思います。しかし、この「月並み」とは、どのような意味があるのでしょうか。
まずは、「月並み」の意味とその語源について解説します。
「月並み」とは決まりきった平凡な
「月並み(つきなみ)」とは、「型にはまったような、決まりきった、平凡な様子」です。
私は取引先への挨拶には、月並みなようですが毎回手土産を持っていくようにしています
私の趣味は、月並みですが映画鑑賞です、休日のたびに必ず何かを観に行っています
月並みなことを言うと思うかもしれないが、私は君の頑張りを応援しているよ
その物事に特別な印象や、斬新さがなく、いたって平凡であることを「月並み」で表現します。
「月並み」の語源は月に一度の会合
「月並み」の元となった言葉は、俳人の正岡子規によって発せられたと言われています。
正岡子規が主催をしていた、月に一度みんなで集まって俳句を詠む会を「月並みの会」と言ったそうです。毎月決まって行われる、この月並みの会を正岡子規は「いつもの会=決まりきった会」という意味ととらえていました。
その後、正岡子規がありきたりな俳句を「月並みの会」になぞらえて「月並調」と言ったことから、型にはまった平凡なものを月並というようになった、と言われています。
「月並み」の使い方と例文
次に、「月並み」の使い方を例文と一緒に解説します。
月並みな感想
「月並みな感想」とは、言い換えれば「平凡な感想」です。
月並みな感想で恐縮ですが、とても現代的で今の時代にマッチしていると思いました
私の月並みな感想でも、教授は真剣に耳を傾けてくれた
誰かに、何かについての感想を求められたとき「月並みな感想ですが」などの枕詞を使うと、「大したことは言えませんが」とへりくだることができます。
月並みですが、末永くお幸せに
結婚式での新郎新婦への挨拶や、お祝いのスピーチなどでよく聞かれるのが「月並みですが、末永くお幸せに」というフレーズです。
以上を私からのお祝いの言葉とさせていただきます、月並ですがどうか末永くお幸せに
ご結婚されると聞きました、月並みですが末永くお幸せに
結婚をする2人に対して「末永くお幸せに」と声をかける人は多いでしょう。そんな中、特に変化を持たせることもなく、定番のお祝いを伝える場面で「月並みですが」を用いています。
月並みな意見
「月並みな意見」とは、「平凡で珍しくもない意見」という意味のフレーズです。
わたしからは月並みな意見しかお伝え出来ませんが、それでもよろしければぜひお越しください
先方からはいわゆる月並みな意見しか得られませんでした
ありきたりな意見、誰もが言っているであろう意見、を「月並みな意見」と表現しています。
「月並み」の言い換えに使える類語
以下では「月並み」と似た意味を持つ類義語について解説します。
平凡な
「月並み」を言い換える場合に、もっとも使いやすいのが「平凡(へいぼん)な」です。「平凡」とは「特に優れたところもなく、並であること」を意味します。
なんとも平凡なことしか言えず、お恥ずかしいのですが
彼女は平凡な提案しかしないから、先方も飽きてしまっているのかもしれない、もっと前衛的な企画も良いのではないか
陳腐
「陳腐(ちんぷ)」とは、ありふれていて、古臭く、つまらない、という意味です。
陳腐な言い方しかできませんが、私は田中君のことを信じています
運命というと陳腐ですが、私たちの出会いはそれくらい自然なものでした
「陳腐」も「月並み」と同様に、ありふれた様子を表します。さらには「古臭い・つまらない」という意味合いも含んでいるため、自分の考えや言動をさらにへりくだらせたい場面でも有効に使えるでしょう。