目次
「折衷」の意味と読み方
「折衷」という言葉は、読み方が難しく、文字から意味を推測することも難しいものです。
まずは、「折衷」の意味と読み方について解説します。
「折衷」とは良いところで別のものを作ること
「折衷」とは、相容れない二つのものから、それぞれの良いところを少しずつ取って、別のものを作ることです。
私は、彼と彼女の意見を折衷して、新しい案として提出するように指示をした
田中さんは、みんなの意見を上手く折衷してくれるので、ミーティングに参加してくれると助かる
「折衷」が使われる多くの場合は、後の見出しで解説する「折衷案」などの熟語です。しかし「折衷」だけでも使うことはできます。
「折衷」の読み方は「せっちゅう」
「折衷」は「せっちゅう」と読みます。
「折衷」の「衷」には「まんなか・偏らない」という意味があります。「折」という文字と合わせて「真ん中で偏りなく折る」と解釈できるでしょう。
真ん中で偏らずに折ることで、「どちらの意見や要素も含めて、偏らずに作る」と考えられます。
「折衷」の使い方と例文
次に「折衷」の使い方を例文と一緒に解説します。
「折衷案」とは良いところ取りをした提案
「折衷」を使った言葉で、よく使われているのが「折衷案(せっちゅうあん)」です。
ではA案とB案から、折衷案としてC案をご提案します
今回の商談では、先方の希望とこちらの提案が合わない可能性がある、先方の希望を予想した折衷案も用意しておいてくれ
これでは折衷案とは言えないでしょう、ほとんどが一方の意見しか考慮されていないのですから
「折衷案」とは「複数の意見の良いところを取って、作られた新しい案」という意味です。意見の分かれた会議や、複数の候補がある案から一つを選出する場面などで使われます。
ただし「折衷案」には、必ずしももっとも良い案という意味までは含まれていません。
「折衷的」とは異なる意見や考えをまとめること
「折衷的(せっちゅうてき)」とは、人の考え方や思考について使われる言葉です。
意見が合わないからと言って言い合いをしても仕方がないだろう、もっと折衷的に考えてみなさい
彼と田中君は異なる意見をいつも上手くまとめてきます、双方が折衷的な思考を持っているのでしょう
この商品は、5年前の商品と昨年の新商品から折衷的に作り出されたものです
「折衷的」とは、一つの意見や考えに固執せず、異なる意見や考えをまとめることを指します。
「和洋折衷」とは和風と洋風を合わせたもの
店舗や商品などについて使われる「和洋折衷」も「折衷」を使った言葉のひとつです。
店内は和洋折衷で、何ともいえないモダンな雰囲気です
最近は和食の店でも、和洋折衷のところが珍しくないよね
和洋折衷の良いところは、外国の方にもなじんでもらいやすいところです
「和洋折衷」は、「和風」と「洋風」の良いところを取って作り出された雰囲気やデザインなどに使われる表現です。
「和洋折衷」自体に定義はなく、和風・洋風のどちらにも偏っていないインテリアなどを指すことが多いでしょう。
「折衷」の言い換えに使える類語
次に「折衷」と似た意味を持つ類語について解説します。
譲歩(じょうほ)
「譲歩」とは、相手の要求や要望に歩み寄ることです。
双方が譲歩することで、話はスムーズに進むはずだ
その場にいた全員が譲歩をしないために、会議は長時間に渡った
何でも譲歩するのが良いことだとは思えない、自分の意見を通すことも大切だろう
お互いの意見や要望が合致しないときに、合致に向けて双方またはどちらか一方が、相手の意見や要望に合わせようとすることが「譲歩」です。
「折衷」は双方の意見の良いところを拾って、新しい案を作る、という意味ですが、「譲歩」は必ずしも双方が譲り合うとは限りません。
折り合い(おりあい)をつける
「折り合いをつける」も、「折衷」と同じように、良い部分を取って話や意見をまとめるという意味です。
では、A案とB案を合わせて、C案で折り合いをつけましょうか
例の商談が長引いていると聞いた、良さそうなところで折り合いをつけなさい
きちんと折り合いをつけなければ、双方に不満がたまったままになってしまう
「折衷」と同じで「折」という文字が使われており、真ん中で折るようにして良い案を出す、というイメージの言葉です。