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「そもそも」の意味と漢字
日常会話の中で頻繁に耳にするのが「そもそも」です。「そもそも」は使いやすい言葉で、つい無意識に使ってしまうという人も多いのではないでしょうか。
まずは「そもそも」の意味と漢字について解説します。
「そもそも」とは物事の最初を意味する言葉
「そもそも」とは、その物事や出来事の、いちばん最初の部分を意味する言葉です。以下の例文の「そもそも」を、仮に「最初は」という言葉に置き換えてみると、意味が通ることがわかるでしょう。
この話は、そもそも誰から聞いたのですか
商談が上手くいっていないと聞いたが、そもそも君はどんな提案をしたのかな
私はそもそも、そんなことはしたくないと言っていたんです
会話の中で、いったんその出来事の始まりに立ち返った方が、内容を理解しやすいということがあります。そんなときに使われるのが「そもそも」です。
「そもそも＝基本的に」は誤り
「そもそも」という言葉が、「基本的に」という意味で使われることがあるようです。しかし、この用法は「そもそも」の意味には合わないため、誤りです。
しかし、辞書などでも「そもそも」の意味に「基本的に」を意味する解説はなく、言葉の用法としては誤りと判断して問題ないようです。
「そもそも」の漢字は「抑々」
「そもそも」はひらがなで書かれることが大半ですが、漢字もあてられています。「そもそも」の漢字は「抑々」です。「々」を使わず、「抑」だけでも「そもそも」と読みます。
しかし、「抑々」を正しく読めるという人は少ないでしょう。そのため、文章中で「そもそも」を使いたい場合は、ひらがなで書くのが無難です。
「そもそも」の使い方と例文
次に、「そもそも」の使い方を例文と一緒に解説します。
事の発端について話したい場面での「そもそも」
物事は時間の経過や、さまざまな都合などによって二転三転することがあります。そんなときに「そもそも」を使って、一度物事や出来事の発端について確認することができます。
彼はそもそも誰からの紹介でここに来たのだろうか
この喧嘩の発端となったのは、そもそもどちらの言動なのでしょうか
そもそも、あなたは何が言いたいのかな
例文のように、「現状」について結論を出したいときに、「そもそも」で原点に立ち返る場面で使うのが「そもそも」です。
「そもそも」は目上へは使わない方が良い
「そもそも」は非常に使いやすい言葉ではあります。しかし、基本的には目上の人へはあまり使わない方が良い言葉でもあります。
そもそも社長は本日なぜ営業部にいらしたのでしょうか
→ところで、社長は本日なぜ営業部にいらしたのでしょうか
そもそも課長がこの話を最初に聞かれたのはいつでしょうか
→課長がこの話を最初に聞かれたのはいつでしょうか
「そもそも」には、敬語表現は含まれていません。さらには、「そもそも」に含まれるニュアンスがやや上から目線と受け取られやすい、という点に注意が必要です。
「そもそも」の言い換えに使える類語
次に「そもそも」と似た意味を持つ類語について解説します。
元々（もともと）
「元々」は日常でよく使われている言葉です。文字通り「元の元は」という意味で、「そもそも」と同じ「最初は」という意味で使えます。
私は元々、この会社に入りたいとは考えていませんでした
彼は元々、群馬県の出身と聞いています
「元々」には、「そもそも」のようにやや物事を上から見ているようなニュアンスがないため、目上の人へ向けても失礼になることはありません。
当初（とうしょ）
「当初」は、「初めに当たる」と書きます。この「初め」が「始め」ではないため、やはり「そもそも」と同じ「最初は」という意味として使えます。
課長は当初、人事についてどのように考えておられたのですか
私は当初、経理部を志望していました
「当初」はビジネスシーンでもよく使われる言葉です。「そもそも」が持つ言葉のニュアンスは残しつつ、「元々」よりもさらにビジネス感が強くなる表現です。
