【目上へ】〜の上 の意味と使い方・例文

「〜の上」の意味

「〜の上」あるいは「〜の上で」という言葉は、「〜の後で」「〜を条件に入れて」「〜の結果」という意味の言葉です。

「添付資料をご確認の上、ご不明点があればお問い合わせください」「ご連絡の上でお越しください」などと使われます。相手に「○○をしてから××してください」という、行動を促す場面でよく使われます。

しかし「~の上」という言葉だけを見ると、場所の上下を表していると理解することもできます。「テレビの上の写真」「資料の上に書かれた文字」などが、場所の上下を表す「~の上」です。

「~の上」「~うえ」の違い

「~の上」は「~のうえ」と平仮名で書かれることもあります。この2つは、一般的には同じ意味として使われていますが、厳密に言うと意味が違うという意見もあります。

それは「~の上」は単に物の場所を表し、「~のうえ」は事前の確認等を促す言葉である、というものです。

しかし現代では一般的に、どちらの意味であっても「~の上」と漢字が使われることが多くなっています。これはビジネスシーンでも同様で、書面にも「会議には筆記用具を持参の上ご参加ください」など、「~の上」は漢字で書かれることがあります。

公用文でも「~の上」「~のうえ」の使い分けについては明記されていません。

「~の上」を使った言葉

「~の上」を使った言葉や決まり文句は、ビジネスシーンでも頻繁に使われています。特に目上の人に対して失礼な言葉でもありませんので、定型文として覚えておくと便利です。

ご確認の上

「資料をご確認の上、申込用紙にご記入ください」など、日常的に使われている「ご確認の上」は、「○○を良く確認してから××してください」という意味で使われます。

「~の上」を使わずに同じ事を伝えようとすると、「資料を良く見てから」「資料を確認してから」など「から」という言葉を使わなくてはならなくなります。しかし「から」という言葉はビジネス感に欠け、目上の人に向けるにも失礼です。

「~の上」を使うことで、こちらの要望を伝えつつ、相手に失礼でない言い方をしています。

ご参考の上

「結果をご参考の上、ご意見をお聞かせください」など、「○○を見て、○○を参考にしてから、意見を聞かせてください」という意味に「~の上」が使われることもあります。

「~の上」を使わずに同じ事を伝えようとすると、「結果によって、良ければ良い、悪ければ悪い、と意見をください」など、冗長でビジネス感もない文章となってしまいがちです。

「~の上」を使えば、スマートにこちらの意図を相手に伝えることができます。

ご記入の上

「必要事項をご記入の上、担当者へお渡しください」など、「○○を書いてから提出してくださ」という意味にも「~の上」が使われます。

「~の上」を使わずに同じ事を伝えようとすると、「必要事項を書いたら、担当者へお渡しください」となり、やはり幼稚な印象です。

「~の上」を使うだけでビジネス感を出すことができますし、目上の人に向けて使っても失礼になることはありません。

「〜の上」を使った例文

ご出欠のいずれかを丸で囲み、ご芳名・ご住所をご記入の上、□月□日までにご返信ください。
十分な議論の上での決定です。
リスクを承知の上で業務提携を決定しました。
配達された商品の種類と数量をよくご確認の上、受領印を押してください。
統計理論と線形代数の単位を取得した上で、当講座の受講を申し込んでください。