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「擁護」の意味と「養護」との違い
「擁護」という言葉を、ニュースや新聞の中で見かけることがあります。漢字の成り立ちから、何となく意味を推測することはできますが、この機会に正しい「擁護」の意味を知っておきましょう。
まずは「擁護」の意味と「養護」との違いについて解説します。
「擁護」とは危害に対抗して守ること
「擁護(ようご)」とは「危害・破壊を加える向きに対抗して、そのものが存率できるように、積極的に協力すること」です。
その大臣の発言を擁護する党員は多かったが、国民からの反発は収まることがなかった
戦地で私を擁護してくれたのは、通りすがりのスペイン人女性でした
収賄で逮捕された部長を擁護していた専務は、部長の学生時代からの友人だったそうだ
大雑把に言えば、「人を守る」という意味ですが、守る状況がやや特別であることに注目しましょう。
政治や戦争、事件や事故など、時として人命にかかわるような状況下で、積極的に協力することが「擁護」です。
「養護」との違いは守る対象と目的
「擁護」と同じ音の言葉に「養護」があります。この2つは混同しやすい言葉ですが、意味も漢字も違うので、それぞれの意味をきちんと把握しておきましょう。
私は生まれつき体が弱く、幼い頃は養護されていました、今はもう元気です
彼は老人を養護することを、自分の仕事にしようと決めた
「養護(ようご)」とは「身体の弱い老人や子供に対して日常生活の世話をすること」または「身体の弱い自動を保護することを目的にして教育すること」です。
どちらかと言えば、こちらの「養護」の方が日常生活に近いイメージが持てるかもしれません。
「擁護」の使い方と例文
以下では「擁護」の使い方を、例文と一緒に解説します。
「自己擁護」とは自分のために言い訳をすること
「自己擁護(じこようご)」とは、自分が自分を守るために、言い訳をすることを意味します。
彼女の自己擁護は今に始まったことではない、あぁやって言い訳ばかりするのはいつものことだよ
自己擁護もほどほどにしておかないと、周囲の人があなたとかかわりたくないと思うようになるよ
自己擁護は悪いことではないけれど、あまりに度が過ぎた言い訳は見苦しいと思う
日常では、単に「言い訳」「自己弁護」などとも言われているようです。
自分が置かれている状況で、窮地に追い込まれ、そこで自分を守るために、出来事についての言い訳をすることを「自己擁護」と言います。
人権擁護・権利擁護とは与えられた権利を守ること
「人権擁護(じんけんようご)」「権利擁護(けんりようご)」とは、文字通り、人権や権利を守ろうとすることです。
人権擁護をしている弁護士は、以前も似た裁判で逆転勝利をおさめているそうだ
労働者の権利を守る権利擁護を、決して行き過ぎた考え方だとは思わないよ
この「人権擁護」や「権利擁護」という言葉を、一般的なビジネスシーンで使うことはあまりないかもしれません。
「擁護」の類語と対義語
以下では「擁護」と似た意味を持つ類義語・反対の意味を持つ対義語について解説します。
擁護の類義語は「保護・愛護」
「擁護」の言い換えに使える言葉は「保護」「愛護(あいご)」などです。
私は、深夜の街でひとりで歩いていた5歳の子供を保護して、警察へと連絡しました
田中君は、先日猫を保護したそうだ、飼い主が見つからずにそのまま飼うことにしたらしいよ
動物愛護の観点から、犬の散歩は欠かさないでほしい、と動物愛護団体の方から言われている
「保護」は、「擁護」に比べるとかなり日常的なシーンで使います。子供や老人、動物や病気・ケガをしている人、その他の困っている人など、どんな対象であっても、それを守ろうとして取る行動はすべて「保護」で表せるからです。
擁護の反対語は「侵害」
「擁護」と反対の意味を持つ対義語は「侵害(しんがい)」です。
彼は子供たちの権利を侵害している
あなたの言動が、人々の自由を侵害しているとは思わないのですか
「侵害」とは、侵略の「侵」に、害するの「害」と書きます。つまり、侵略をして人や場所を害する行為が「侵害」です。