面接のお礼状の例文と書き方

面接のお礼状の例文と書き方

面接を受けた企業の採用担当者に送るお礼状です。就活生にとって面接を受けるのは当然のことですが、企業にとっては必ずしもそうではありません。

就活生を受け入れるための準備や選考、面接の準備や実施などさまざまな手間をかけて就活生と向き合います。もちろん、面接をすることで優秀な学生を選ぶことができる、というのは企業にとってのメリットですが、学生も企業もお互いが感謝の気持ちを持つことは大切です。

面接のお礼状は必要

面接のお礼状を送ることで学生には多くのメリットがあります。

  • 面接でのミスを取り返せる可能性がある
  • 印象に残すことができる
  • ビジネスマナーを学んでいることをアピールできる

これらのメリットがお礼状を送ることで得られるのですから、面接のお礼状はぜひ送るべきです。

面接のお礼状の書き方

面接のお礼状の書き方に迷うという学生は多くいます。転職の面接であっても、緊張して上手く書けないという人もいるでしょう。

面接のお礼状は手書きもしくはメール

「お礼状」とはお礼を伝える手紙のことを指しています。しかし最近ではメールでのお礼も一般的にお礼状とされているようです。

面接のお礼状は基本的には手書きの手紙、もしくはメールで送ります。手紙はパソコンで作成したものでも問題ありませんが、お礼状の目的である「お礼の気持ちを伝える」という観点では、やはり手書きの方が印象は良いでしょう

いわゆるお礼メールですが、日常、膨大な数のビジネスメールがやり取りされる中で、業務上重要なメール以外が軽視されることは否めません。

また、近年ではSNSを使ってのお礼も増えているようです。SNSを使ってのお礼に失礼がないかどうかは、その企業の考え方によります。

面接のお礼状は担当者へ宛てる

面接のお礼状は、基本的には採用担当者に宛てて書きます。面接に参加をしていない社長などに直接書くことはありません。

面接のときに面接官から名刺をもらっている場合は名刺の名前宛て、もらっていない場合は「採用ご担当者様」という宛名で書くことになります。

もしも面接のときに教えてもらった面接官の名前を覚えている場合は「○○様」と名指しで書いても問題はありません。しかし、その場合は漢字の間違いなどがないように注意してください。もしも漢字がわからないけれど、どうしてもその人に宛てて書きたい、などの気持ちがある場合は、かたかなで「タナカ様」などとしても良いでしょう。

面接のお礼状にはポジティブなことを書く

面接を思い返すと、つい謝りたくなったり、愚痴を言ってしまいたくなったりするかもしれません。しかしお礼状は「お礼」を伝えるためのものです。

ネガティブな思いと一緒に伝えられるお礼よりも、ポジティブな思いと一緒に伝えられるお礼の方が良いものです。

「面接では緊張してしまい上手く話せませんでしたが、今となって考えてみれば、私はそれだけ強く御社に入社したいと願っているのだなと、改めて自分の気持ちに気がつくことができました」など、上手くできなかったことを伝えつつ、その出来事によって自分が得たものについて触れる、などすれば、良い印象として残すことができるかもしれません。

便せんと封筒は白いものを用意する

面接のお礼状は白い便せんと白い封筒で送ります。柄が入っていたり、色付きであったりしないようにしましょう。

ペンは発色の良い黒い細ペンを使います。インクがかすれると、文字もきれいに見えませんし、お礼状に込める気持ちも何となく雑なものに感じやすいものです。

また、修正テープなどは使わないようにしてください。書き損じは最初から書き直します。お礼状を書く側の気持ちも大切ですが、お礼状を読む側の気持ちになって、最初から丁寧に書き直しましょう。

お礼状は基本的には縦書き

お礼状は基本的には縦書きで書きます。普段縦書きをすることがない人にとっては難しく感じるかもしれません。どうしても難しいようであれば横書きで書くこともできますが、基本的には縦書きが望ましいということは知っておきましょう。

中身が縦書きであれば、封筒も縦書きとなります。縦の封筒に縦書きで宛名と相手の名前を書いて投函してください。

面接のお礼状の内容

面接のお礼状は、特に形式が決まっているわけではありません。しかし、一定のビジネスマナー・手紙のマナーを守って書かれている方が先方の印象は良くなります。

①頭語・結語を使う

手紙のマナーには「頭語」と「結語」があります。これは文面上で頭を下げて文章を始めて(頭語)、文末では頭を下げて文書を終える(結語)という意味のものです。

面接のお礼状に使う頭語は「謹啓」、結語は「謹白」もしくは「敬白」です。敬白よりも謹白の方がうやうやしく、より格式のある結語であるため、面接のお礼状には向いているかもしれません。

また、頭語と結語で有名な「前略・草々」の組み合わせは、目上の人には使いません。「拝啓・敬具」は「謹啓・謹白(敬白)」よりもややライトな組み合わせですので、やはりお礼状には向いていないでしょう。

②挨拶

手紙では本文に入る前に「挨拶」の文章があります。この部分はある程度定型文となっているので、あまり深く考えずに書いて問題ありません。

企業宛であれば「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」などが一般的です。

ちなみに「ますますご健勝のことと」などの挨拶文もありますが、ご健勝は個人の健康を祈る文章ですので、企業やその担当者に向けるには違和感があります。

③お礼

ここから面接のお礼文に入ります。最初は「本日はお忙しい中、面接を行っていただき誠にありがとうございました」などから始めます

その後、面接の感想や面接で得た学びなどを綴り、面接担当者へのお礼の言葉へ繋げていきましょう。

尚、この部分のメインはあくまでも「お礼」です。あまり自分のことを長々と書くのではなく、相手に対して、また企業に対して「面接をしてくれてありがとう」という気持ちを伝えることに注力してください。

④今後の抱負

お礼の後には「ご縁をいただきましたら精一杯尽力いたします」「2次選考のご連絡をいただくまでの間、○○の勉強をしながら前向きに過ごしたいと思います」など、今後自分がどうするつもりかということを書くと印象が良いかもしれません。

しかし、もちろんこの時点での合否はわかりませんので、「合格を前提としてのんびり過ごす」という内容は選ばないようにしてください。

⑤日付

日付は手紙を書いた日を書きます。和暦で○月○日まで書きましょう

日付は便せんの上から2文字分ほど下げたところから書き始めます。和暦では「一年」は「元年」となることにも注意してください。

⑥名前

自分の所属大学や学部、その後に自分の名前(フルネーム)を書きます。大学名と名前は便せんのいちばん下の部分に書いてください。

手紙のマナーでは常に相手の名前は便せんのいちばん上から、自分の名前はいちばん下に書きます。

この時に大学名や名前を省略して書かないようにしましょう。すべて正式名称、戸籍上の漢字を使って書きます。

⑦相手の会社名と名前

最後は相手の会社名・部署名と名前です。便せんのいちばん上から「○○株式会社 ○○部 採用ご担当者様」などと書きます。

名刺をもらっている場合は、相手の役職や名刺通りのフルネームを書くことになりますので、漢字の間違いなどに注意してください。

面接のお礼状例文・封書の場合

謹啓
貴社益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。
本日は、お忙しいところ、大変お世話になり誠に有難うございました。
私は本日が初めての面接で大変に緊張しましたが、何とか無事に終了することができましたのも、藤田様から頂いたご教示と励ましのお蔭です。
心より御礼を申し上げます。今は、次の2次面接に進めることと、藤田様にまたお会いできることを楽しみにしております。
末筆ながら重ねて面接の御礼を申し上げます。

謹白

令和元年5月15日

□□大学□学部□□□学科 □□□□専攻4年 柳田みどり

株式会社□□□ 人事部
採用課長 藤田あかね様