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目上の人に「大丈夫です」は使えないのか
日頃から、友人や同僚との会話の中で「大丈夫です」「大丈夫だよ」を頻繁に使っている人は多いのではないでしょうか。「大丈夫」はとても便利な言葉で、自分が理解や容認していることを一言で表せるため、口癖になりやすいかもしれません。
しかし、相手が目上の人となると「大丈夫です」を使っても良いのか、少し心配になりますね。
以下では、「目上の人に向ける ”大丈夫です”」について解説します。
目上への「大丈夫です」を控えた方が良い理由
結論から言えば、目上の人に「大丈夫です」を使うのは控えた方が良いでしょう。理由は「大丈夫です」だと、思わぬ勘違いや行き違いが生じやすいからです。
何を指しているかが明確でない
「大丈夫」という言葉は、必要な説明を省いて使われています。たとえば「明日の食事会、大丈夫ですか?」というフレーズがあったとします。
相手が「出席できるかどうかを聞かれている」と思っても、聞いた側は「お店の確保はしてくれているのですよね?」と言っている可能性もあるのです。
肯定か否定かがわかりにくい
「大丈夫です」という言葉には2通りの解釈があります。
「経理部にこの書類を届けてもらえますか?」と言われたときの「大丈夫です」は「肯定の意味の大丈夫」
「よろしければ、何か飲み物をお持ちしましょうか?」と言われたときの「大丈夫です」は「否定の意味の大丈夫」
このように「大丈夫です」という言葉ではなく、状況や背景から「肯定か否定か」を推測しなければならないところが「大丈夫です」の難しい部分です。
「大丈夫です」の言い換え例文
「大丈夫です」は極力使わない方が良い、ということは先にお伝えしました。では、どのような言葉を使えば良いのでしょうか。
以下では「大丈夫です」の言い換えの言葉と例文をご紹介します。
問題ありません(ございません)
肯定の意味での「大丈夫です」の言い換えとして、「問題ありません」が使えます。
今日の会議の準備はできていますか?
→はい、問題ございません
午後の打ち合わせに同席してもらいたいのだけど他の予定がありますか?
→いいえ、問題ございません、同席いたします
「問題ありません」は、相手からの要望を受けることに何の問題もない、つまり引き受けられるという意味で使えます。
「大丈夫です」に比べて、肯定の意思があることが明確になりますし、「はい・いいえ」などの相槌と併せて使うことでビジネス感を出すこともできます。
結構です・遠慮いたします
「大丈夫です」を否定の意味で使う場合の言い換えは、「結構です」や「遠慮いたします」が良いでしょう。
よろしければ、お茶を召し上がりませんか?
→いいえ、結構です、お気持ちだけいただきます
今夜、親睦会を開くのですがお時間があったらご一緒しませんか?
→申し訳ございませんが遠慮いたします、あいにく先約がございます
「結構です」は、相手のからの好意や誘いを断る言葉です。しかし、状況によっては「良い・気に入る」という意味で「結構」と使うこともあります。
そのため、否定の意味で「結構です」を使う場合は「いいえ」「申し訳ありませんが」など、否定の意思を表す言葉と一緒に使った方が良いでしょう。
「大丈夫です」を使わずに伝えるコツ
「大丈夫です」という言葉が癖になっている場合、急には言い換えの言葉が出て来ないかもしれません。その場合は、別の言葉に言い換えるのではなく、自分の伝え方を見直してみると良いでしょう。
何が大丈夫なのかを考えてみる
つい「大丈夫です」と言いそうになったとき、自分が「何が大丈夫と言いたいのか」ということを考えてみます。
もし「できるかできないかを聞かれて、できるから大丈夫と言いたい」のであれば、「できます」と言えば良いのです。
「参加ができるかどうか聞かれて、できないという意味で大丈夫と言いたい」のであれば、「できません」と言います。
このように「大丈夫です」と言いそうになる度に考える習慣を持つと、「大丈夫です」という言葉に頼らなくても会話ができるようになります。