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ご配慮 の意味
挨拶やお礼の場面でよく使われる言葉に「ご配慮」があります。使われるシーンから、おおよその意味はくみ取れても、正しい意味まではわからない、という人は多いでしょう。
まずは、以下で「ご配慮」の意味について解説します。
ご配慮とは気遣いや心配りのこと
ご配慮とは、「配慮」の尊敬語です。「配慮」とは、気を遣う、気を配ることであり、「気配り」・「心遣い」と同義語です。
自分が相手を気遣うことを「配慮」、相手が誰かのことを気遣うことを「ご配慮」と言います。
ご配慮の例文
日頃より格別のご配慮と手厚いご支援を賜りまして、誠にありがとうございます。
子供たちへの温かいご配慮に、心より感謝申し上げます。
勝手を申しまして恐縮ですが、ご配慮願えませんでしょうか。
緊急輸送に付き、遅延なきよう格別のご配慮願います。
このたびの弊社本町支店の開設に際しましては、ご丁寧なご祝電とお花を頂戴し、誠にありがとうございました。いつもながらの温かいご配慮に、心より感謝致しております。
「ご配慮」の使い方
「ご配慮」はさまざまな場面で、さまざまな言葉と一緒に使われています。
以下では、「ご配慮」の使い方として特に多く、使いやすいものをご紹介します。
「ご配慮」を目上の人に使う
丁寧語の「ご」が付けば、「ご配慮」という言葉自体が尊敬語ですので、もちろん目上の人へ使うことができます。
「ご配慮願います」「ご配慮いただきますようお願い申し上げます」など、目上の人へ「気をつけておいてくださいね」「上手く対応してくださいね」という気持ちを伝えたい場面では非常に使いやすい言葉でしょう。
この度は、弊社社員の工場見学に際し、多くのご配慮を賜り誠にありがとうございました
佐藤様のご配慮に心より感謝いたしております
相手に気遣いを求めたい場面で使う
ビジネスの場などでは、相手が上司やお客様であっても、何かしらの気遣いを求めなければならない場面があります。平たく言えば、相手に丁寧な口調で注意や指摘をしたい場面です。
そんな時に「ご配慮」を使うと、言葉に角が立たず、やんわりと伝えることができます。
ご配慮願います・ご配慮いただきたい
「ご配慮」を使って、お願いをする依頼形にすれば、やわらかい口調での注意や指摘がしやすくなります。その際には「ご配慮願います」や「ご配慮頂きたい」などを使うと良いでしょう。
近隣には住宅街がございますので声が響きやすくなっております、大変恐縮ではございますがご配慮いただきますようお願い申し上げます
田中さんは病気療養からの復帰です、しばらくは本調子ではありませんので、皆さんご配慮願います
特に「ご配慮いただきたい」は、後に、「お願い申し上げます」などの言葉を付け足しやすく、口語でも自然です。
上記の例文では、何への配慮を求めているかまでは明確にしていません。しかし、その前の部分で配慮を求める理由となる「状況」を伝えています。そのため、「配慮」の内容はあくまでも相手の解釈によります。
「ご配慮」の言い換えに使える類義語
以下では「ご配慮」の言い換えに使える類語について解説します。
「ご配慮」と似た言葉もありますので、違いに注意して確認しておきましょう。
お心配り
「心を配る」という柔らかい言葉は相手の心に馴染みやすく、好意的に受け取ってもらいやすいでしょう。
また、「私の心配りが足りずご迷惑をおかけいたしました」など、自分の不注意で起こったミスの謝罪時にも使うことができます。
「私がもっと気をつけておけば良かったのに」という気持ちを「心配りが足りない」という表現を使って伝えることができるのです。
ご恩情(ご温情)ごおんじょう)
これは、ビジネスシーンよりも友人関係や先輩後輩関係、師弟関係などで使う機会が多い言葉です。
お心尽くし
相手のために心を込めて尽くすことを「心尽くし」と表現します。
「お心尽くしに感謝いたします」と言えば、「自分のために心を込めて尽くしてくださったことに感謝をしています」という意味です。
また、「お心尽くし」は人の気持ちそのものだけでなく、物に対しても使うことができます。
たとえば何かプレゼントや食事をいただいた場合に「お心尽くしの品をいただき、誠にありがとうございます」とお礼を伝えることも可能です。