【目上へ】参ります の意味と使い方・例文

「参ります」の意味とは

「参ります」には、主に3つの意味があります。

「行く」という意味の「参ります」

1つ目は「行きます」という意味の「参ります」です。「行く」という言葉の謙譲語は「参る」ですので、「参ります」と言えばへりくだった言い方で「行きます」という意味になります。

「参ります」は謙譲語なので、目上の人に使う言葉です。

「これからそちらに参ります」「明日の午後参ります」など、「行きます」をそのまま「参ります」という言葉に変えるだけで、正しく使えます。

物や出来事の動きを表す「参ります」

2つ目は物や出来事の動きを表す意味での「参ります」です。たとえば「雨雲が関東方面に進んで参ります」「今後の人生を楽しんで参ります」など、単純に人がどこかへ行く、という意味以外の動きを指します。

この場合も「参ります」も、へりくだった謙譲語ですので、目上の人へ物の動きや出来事の動きを伝えるときに使うことができます。

困った状態を表す「参ります」

3つ目は謙譲語ではありません。何かに困ったときや、かなわないと感じた状態を表す「参った(降参)」という意味での「参ります」です。これは「参った」という言葉を丁寧語にしているだけですので、特に敬語ということでもありません。

「このようなことが続くとさすがに参ります」など、どうしようもできない状況に直面したときの、心境をそのまま言葉にしているだけの言葉です。

「参ります」の使い方

「参ります」には3つの意味があるため、使い分けが少し難しく感じるかもしれません。しかし、それぞれの「参ります」を別の言葉に言い換えて考えてみると、簡単に使うことができます。

「これから行きます」という意味の「参ります」

ビジネスシーンでは「これからすぐに行きます」と伝えたい場面が多くあります。このときに「これからすぐに参ります」と言えれば、大変スマートです。相手が敬語を使うべき相手であって、自分や自分の身内が「行く」という状態であれば「参ります」を使うことができます。

「参ります」を「伺います」などに変えて使っても同じ意味となります。

しかし「伺います」は、言葉のイメージ的に少し離れた場所に行く様子を想像しやすいため、行く先が比較的近場であれば「参ります」の方が自然です。

「もうすぐ来ます」という意味の「ただいま参ります」

自分以外の誰かを目上の人と一緒に待っている場面で使えるのが「ただいま参ります」です。「ただいま参ります」とは「もうすぐ来ます」という意味で、待っている人がこちらに向かっている様子を表します。

「じきに参ります」「本日の午後5時に参ります」など、その人がいつ頃来るのかという部分を変えれば便利に使うことができそうです。

「来ます」という言葉は「行きます」とは違いますが、今向かっている人からすれば「参っている」わけですので、同様の意味として使うことができます。

「参ります」の例文

はい、ただ今参ります。

近藤は直ちに参りますので、どうぞこちらにお掛けになってお待ちください。

今後も社業発展のために尽力して参ります。

今、コーナーを回って参りますのが、佐藤君のクルマです。

いつもながら、杉浦女史の鋭い突っ込みには参ります。