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「にわか」の意味とは
「にわか」と言うと、近年では「オタク」と関連して想像する人が多いかもしれません。しかし「にわか」は日本に昔からある言葉で、にわかファンなどに限られた言葉ではありません。
まずは「にわか」の意味と語源・漢字について解説します。
「にわか」とは急に現れる様子
「にわか」とは、「急に現れる様子」のことです。そして「急に現れる」にも、大きく分けて3つの意味があります。
- 事態や状態が急に大きく変化すること
- 人や物が何かに接してその反応がすぐ起こること
- 何からの変化が急に現れて、すぐにやむこと
上記3つはいずれも「にわか」です。
その音楽を聴いた人々は、にわかに踊り始めた
彼は恩師の言葉を聞いて、これまでの自分を反省しにわかに涙を流した
にわかに吹き始めた強風は、時間にして5分ほどで収まった
いずれの「にわか」も、突如として現れるという点が共通しています。
「にわか」の語源は漢字の「俄」
「にわか」には語源となった漢字があります。それは「俄」です。にんべんに我と書くこの字には、「突然現れたり、急に物事が起こる」という意味があります。
人や物が突如現れる、これまで起きてなかった現象が急に起きる、という様子を「俄」と表したことが始まりです。
「にわか」とひらがなで書くことも多いですが、「俄」とする場合と意味は同じですし、その意味についても漢字の「俄」を語源としたまま、現代でも使われています。
「にわか」の使い方と例文
次に「にわか」の使い方を例文を交えて解説します。
人や物が急に現れる場面で使う「にわか」
「にわか」を使った言葉として、思い浮かべやすいのは「にわか雨」です。この「にわか雨」の「にわか」も、急に降り出した雨、という意味で用いられています。
他にも、これまでそこにいなかった人が突然現れた、という場面でも「にわか」が使えます。
すぐに止んだが、この晴天の中のにわか雨に、道行く人は戸惑っていたようだ
彼は何の前触れもなく、にわかにやって来た
「にわかファン」とは流行りに乗ったファン
「にわか」が現代でよく使われる言葉のひとつに「にわかファン」があります。「にわかファン」とは、ある出来事をきっかけに、急にその対象のファンになる人のことです。
ワールドカップでは多くのにわかファンが生まれた
彼はあの歌手のにわかファンだから、時間が過ぎれば飽きてしまうかもしれないよね
「にわかファン」は、現代ではどちらかと言えばあまり良くない意味(流行りものに便乗した、というような)で使われることが多いかもしれません。
「にわか」の言い換えに使える類語
次に、「にわか」の言い換えに使える似た意味を持つ言葉について解説します。
「突如」は予告なしに訪れること
「突如」は「とつじょ」と読みます。「突如」とは、なんの予告もなしに人や物事が訪れることです。
そのうれしい知らせは突如やって来た
彼女はうちの課に突如訪れた、大変有能な人材だった
画期的な新製品を突如発表したA社は、みるみるうちに株価を上げていった
「突如」は「(急に)現れた」という出現の時点のことしか指しません。そのため、たとえば「にわか雨」を「突如」で表す場合は「突如降り始めた雨はすぐに止んだ」など、止んだところまで説明する必要がある、ということです。
「忽然」は急に現れる・消えること
「忽然」の読み方は「こつぜん」です。「忽然」とは、人や物が突然現れた、または突然消えた、という様子を表します。
彼女は誰にも何も告げず、忽然と行方をくらました
たった今までここにあった私のスマートフォンは、忽然とその姿を消していた
長い間行方不明になっていたその男は、ある日忽然と姿を現した
「忽然」と「にわか」の違いは、急に現れたことだけでなく、消えたことも説明できる点です。また、「突如」と同じように、「突然現れてすぐに止む」という意味はありません。
「にわか雨」を「忽然」を使って表すとすれば、「忽然と降り始めた雨はすぐに止んだ」もしくは「急に降り出した雨は忽然と止んだ」などでしょう。