顛末書の書き方と例文
顛末書の提出を求められて、始末書との違いがわからず戸惑う人は多いようです。似た文書ですが、目的も、書くべき内容も異なります。
まずは両者の違いを整理したうえで、状況別の「顛末書の例文」を確認しましょう。
顛末書と始末書の違い
最大の違いは目的です。
顛末書は「報告」の文書で、何が起きたかを時系列で正確に記録することが目的です。必ずしも書き手に非があるとは限らず、事故や不具合の当事者ではない担当者が作成することもあります。
始末書は「謝罪」の文書で、自分の過失を認め、反省と再発防止を示すものです。人事上の処分の記録として扱われる場合もあります。
つまり顛末書では、謝罪の言葉よりも事実の網羅性と正確さが求められます。
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顛末書の基本構成
記載する項目は次の6つです。始末書と異なり、「発見の経緯」と「時系列」が重視されます。
1.表題・提出日・宛先・作成者
2.発生日時および発生場所
3.発生した事象(事実のみ)
4.発見および対応の経緯(時系列)
5.原因
6.今後の対応・再発防止策
システム障害・業務トラブルの顛末書
障害対応では、時刻を分単位で記録します。誰がいつ何をしたかが、後の検証材料になります。
顛末書
令和8年9月3日
株式会社〇〇
情報システム部長 佐藤一郎 殿
情報システム部 田中太郎 印
標記の件につきまして、下記のとおりご報告申し上げます。
記
1.発生日時
令和8年8月31日 午前9時15分〜午前11時40分(復旧まで2時間25分)
2.発生場所
社内基幹システム(受注管理システム)
3.事象
受注管理システムにログインできない状態となり、全拠点で受注入力が停止いたしました。
4.経緯
09:15 〇〇支店より「ログインできない」との連絡を受領
09:20 情報システム部にて障害を確認
09:35 全社宛に障害発生の一次連絡を配信
10:10 サーバー保守業者へ連絡、遠隔調査を依頼
11:05 データベース接続設定の不整合が原因と判明
11:30 設定を修正し、動作確認を実施
11:40 全社宛に復旧を連絡
5.原因
8月30日深夜に実施したサーバー保守作業において、設定ファイルの一部が旧版のまま復元されておりました。作業後の動作確認が、当該機能に対して行われていなかったことによるものです。
6.影響
受注入力の停止により、当日午前中の受注37件が遅延いたしました。うち5件について、顧客への納期回答が翌営業日となっております。
7.今後の対応
・保守作業後の動作確認項目に、基幹システムへの接続確認を追加いたします
・確認結果を作業報告書に記録し、部長承認を必須といたします
以上
商品の不具合・クレームの顛末書
社外に起因する事象でも、自社が把握した経緯を客観的に記録します。
顛末書
令和8年9月3日
株式会社〇〇
品質保証部長 佐藤一郎 殿
品質保証部 田中太郎 印
標記の件につきまして、下記のとおりご報告申し上げます。
記
1.発生日時
令和8年8月25日 お客様よりご連絡を受領
2.事象
弊社製品〇〇(製造ロット 2608A)につきまして、使用開始から3日で電源が入らなくなるとのご指摘を、お客様3名より受領いたしました。
3.経緯
08/25 カスタマーサポートにて1件目のご指摘を受領
08/26 同様のご指摘を2件受領。ロット番号が一致することを確認
08/27 該当ロットの在庫品30個を回収し、社内検証を開始
08/29 うち4個で同様の不具合を再現。電源基板の半田付け不良と特定
08/31 該当ロットの出荷を停止。仕入先へ通知
09/02 お客様3名へ交換品を発送完了
4.原因
仕入先の製造工程において、はんだ付け装置の温度設定が基準値を下回っていたことが判明いたしました。仕入先の受入検査、および弊社の抜取検査のいずれでも発見できておりません。
5.影響範囲
該当ロットの出荷数 420個
うちご指摘件数 3件(現時点)
6.今後の対応
・該当ロット購入者全員へ、お詫びと点検のご案内を送付いたします
・仕入先に対し、工程管理記録の提出を毎ロット義務付けます
・弊社受入検査の抜取率を、現行の1%から5%へ変更いたします
以上
金銭・経理に関する顛末書
金銭が絡む場合は、金額と処理内容を正確に記載します。
顛末書
令和8年9月3日
株式会社〇〇
経理部長 佐藤一郎 殿
経理部 田中太郎 印
標記の件につきまして、下記のとおりご報告申し上げます。
記
1.発生日時
令和8年8月28日 月次締め処理中に判明
2.事象
7月度の売上計上において、〇〇社向け売上550,000円が二重に計上されておりました。
3.経緯
08/28 月次残高照合において、売掛金残高の不一致を確認
08/28 伝票を遡及確認し、伝票番号 S-0712 と S-0745 の重複を発見
08/29 営業部へ確認し、実際の取引は1件であることを確認
08/31 訂正伝票を起票、上長承認を取得
09/01 7月度決算数値を修正
4.原因
納品書に基づく計上と、請求書に基づく計上を別の担当者が行ったことにより、同一取引が二重に登録されたものです。担当者間での処理範囲の取り決めが明確でなかったことが原因でございます。
5.影響
7月度売上高が550,000円過大に計上されておりました。訂正処理は月次確定前に完了しており、対外的な開示への影響はございません。
6.今後の対応
・売上計上は請求書発行時点のみとし、業務手順書に明記いたします
・月次締め時に、取引先別の重複チェックを実施いたします
以上
顛末書を提出する際の送付メール
文書を提出する際は、要点を3行程度で添えると、受け取る側が概要を把握しやすくなります。
件名:受注管理システム障害に関する顛末書のご提出
佐藤部長
お疲れ様です、情報システム部の田中でございます。
8月31日に発生いたしました受注管理システムの障害につきまして、顛末書を作成いたしましたのでご提出申し上げます。
【概要】
・保守作業後の設定復元漏れにより、9時15分から2時間25分にわたり受注入力が停止
・受注37件が遅延、うち5件は納期回答が翌営業日に
・作業後の動作確認項目に基幹システム接続確認を追加し、再発を防止
添付ファイルをご確認いただき、追記すべき事項がございましたらご指示ください。
このたびはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
何卒よろしくお願い申し上げます。
自身の過失を謝罪する文書については、遅刻・無断欠勤の始末書の例文や備品の紛失・破損の始末書の例文をご確認ください。