「逝去」の意味と読み方
人の訃報を知らせる場面で、よく使われるのが「逝去」です。まずは「逝去」の意味と読み方について解説します。
逝去とは「亡くなるの尊敬語」
「逝去」は「せいきょ」と読みます。「いきょ」などは誤りです。
「逝去」とは、人が「亡くなる」ということで、「逝去」だけで「亡くなった」という意味になります。
ご母堂様逝去の報に触れ、大変驚いております
一課の田中さんのお父様が逝去されました、つきましては営業部からお花をお送りしようと考えております
佐藤さんはおじい様が逝去されたので、今日から3日間忌引きとなりました
「逝去」は「亡くなる」の尊敬語です。そのため「逝去」だけでも、相手や亡くなった方への敬意を示すことができます。さらに「ご逝去」と「ご」を付けて使うこともできます。
基本的には「ご」はつけず「逝去」とするのが無難です。
「逝去」の使い方と例文
次に、「逝去」の使い方を例文と一緒に解説します。
社員の身内が亡くなった報告をする場面
社員の身内が亡くなった場合、知らせを聞いた人が全社員へ向けてメールなどで共有することがあります。この場合の多くは「亡くなる」よりも「逝去」を使います。
各位
お疲れ様です。
田中です。
営業部二課の佐藤一郎さんのお父様が逝去されました。
そのため、佐藤さんは本日より5日間忌引きでお休みです。
葬儀は3月20日(水)10時より〇〇斎場にて行われます。
会社より御香典と御花をお送りする予定です。
以上、ご承知おきください。
「逝去」の部分を「お亡くなりになりました」としても、まったく同じ意味として通じます。
お悔やみの挨拶をする場面
葬儀や通夜の場で遺族へお悔やみを伝える場面や、忌引き明けの人へ挨拶をする場面でも「逝去」が使われます。
この度は突然のことで…ご尊父様逝去とのこと、心よりお悔やみ申し上げます
ご主人様ご逝去とうかがいました、お力落としのないよう…
(弔電や手紙)奥様逝去の報に触れ、大変驚いております
「逝去」の言い換えに使える類語との違い
次に、「逝去」と同じ意味を持つ別の言葉について解説します。
死去
「死去(しきょ)」は、人が亡くなることを意味します。そのため「逝去」と同じ意味を持つ類語と言って良いでしょう。
ただし、「死去」は「逝去」に比べるとかなり直接的な表現です。そのため「死去」を使うのは、亡くなった方の身内であることがほとんどです。
この度、父が死去いたしました、皆様にはご迷惑をおかけいたしますがしばらくお休みをいただきます
母が死去したのは、昨年の春のことです
目上の人の死に対しては「死去」は使わず、「逝去」や他の類語を使うようにしましょう。
永眠
「永眠(えいみん)」も、「逝去」と同じで人が亡くなることそのものを表します。人が亡くなることを「眠り」に例え、亡くなった人にとってその眠りが永遠であることから「永眠」です。
前会長が、昨日永眠されました
父は5年前に永眠いたしました
「永眠」は、自分の身内だけでなく、目上の人へ向けても使えます。人が亡くなることを間接的に表現する言葉であるため、その人の死をやんわりと表したい場合に便利です。
他界
「他界(たかい)」も、人が亡くなったことを表します。亡くなった人が、この世とは別の世界に行ってしまったという意味で「他界」と表現します。
彼はもう10年も前に他界していることがわかりました
夫が他界してからというもの、娘はなかなか元気が出ないようです
急逝
「急逝(きゅうせい)」とは、急に亡くなってしまったことを意味します。基本的には、特に闘病中などではなかった人が、ある日突然亡くなるような状態です。
昨日、佐藤部長が事故で急逝されました
母は急逝でした、亡くなる前の週までは本当に元気にしていたので、みんなが心底驚きました