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「謝罪の手紙」の意味と書き方
謝罪の手紙とは、自分がしたことによって、相手に何らかの被害が発生したときに送るお詫び状です。相手が受けた被害は身体的なケガの場合もあれば、心理的なショックなどの場合もあります。
いずれの場合も、自分が相手に対して心から謝罪する気持ちを文章にしなければなりません。
①文頭は「前略」または「急啓」など
通常の手紙は「拝啓」などから書き始め、時候の挨拶をしてから本文に入ります。しかし謝罪文は急いで書いて送る様子を見せることも誠意のひとつとされるため、「前略」や「急啓」で書き始めることがマナーです。
②お詫びの言葉から書き始める
謝罪文は、文頭の次からすぐにお詫びの言葉を書きます。「この度は~」から始まる書き方で、まずは一度きちんと謝罪する言葉を書きましょう。交通事故の謝罪文を始めとする、さまざまな謝罪文では必要に応じて、謝罪するべき出来事の概要に触れることになります。しかし、冒頭から概要や経緯を書き始めてしまうと、謝罪の気持ちが言い訳めいたものに受け取られてしまいがちです。
③相手の状態を気遣う言葉
謝罪文では、自分がしたことによって相手が受けた被害を詫びるだけではなく、その後の相手の状態を気遣うことも大切です。ケガの状態や、心理的なショックの状態などについて、心配していることを文章にしましょう。
この時に「大丈夫ですか?」など、日頃から頻繁に使う言葉を用いると、大丈夫なわけがないと思う人は多いようです。相手の状況によっては真摯な謝罪文と認めてもらえない可能性もあります。
④今後の対策や心構え
謝罪文の中では、今後同様のことを引き起こさないための対策や、自分の心構えを文字にすることも大切です。どれだけ謝罪をしても、今後同様のことを起こさないために、自分が何をするのかという部分がなければ、本当に反省しているかどうかを疑われることにもなりかねません。
今後の対策や心構えについては、できるだけ具体的に書くようにしましょう。
⑤締めはお詫びの言葉
手紙は文末に書いてあることがもっとも相手の印象に残りやすいと言われています。そのため、謝罪文の最後は改めて謝罪を伝える言葉にしましょう。手紙の長さにもよりますが、最初にお詫びをして、そのまま相手の状態などについて触れ、自分の今後の誓いなどを書き、そのまま終わると、何となく謝罪の気持ちが薄れて伝わります。
謝罪の例文(交通事故/加害者から被害者へ)
【交通事故加害者の詫び状例文】①
また、お仕事の上でも少なからぬご迷惑をおかけしたことと思いますが、快く示談に応じていただきまして、心より御礼申し上げます。
その後、お怪我の具合はいかがでしょうか。順調に回復なさっていらっしゃればよろしいのですが。事故以来、私は車の運転を控えております。しかし、いつまでも運転しない訳には参りませんので、今後は二度と事故を起こさないよう、つねに気を引き締めてハンドルを握る所存です。なにとぞ、この度の事故のことは平にご容赦願い上げます。
つきましては、お詫びのおしるしにお見舞いの品をお送り致しましたので、ご受納いただけましたら幸いと存じます。
甚だ略儀にて恐縮ではございますが、書中にてお詫びとお見舞い申し上げます。
草々(※行末へ)
【交通事故加害者の詫び状例文】②
事故の時、私は不測の事態にお恥ずかしいほど動転しておりましたが、佐藤様には冷静に寛大に接していただきまして、本当に救われた思いがしました。佐藤様のご親切に衷心より御礼申し上げますとともに、お言葉に従って、今後は二度と事故を起こさないよう肝に銘じて参ります。
つきましては、お詫びとお礼のしるしとして粗品をお送り致しました。ご受納いただけましたら幸いと存じます。
略儀にて恐縮ではございますが、重ねてお詫び申し上げます。
敬具(※行末へ)
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