これは失礼?退職者への挨拶と例文

【ビジネス】退職者へのメッセージは簡潔で素直に

社内で退職する人へ向けてメッセージを送る、という場面では多くの人が「何と言えば良いのか」と考え込んでしまいます。しかし、深く考えるのではなく「簡潔で素直なメッセージ」を心がけましょう。

難しい言葉を使わなければならないわけではありません。退職者へ対しての素直な思いを、簡潔な言葉にまとめることを意識してください。

定年退職者へのメッセージ

定年を迎えて退職する人へのメッセージは、お祝いの気持ちを前面に出したものがおすすめです。定年退職は、定年まで無事に勤め上げたことの証であり、おめでたいことであるということを知っておきましょう。

田中さん、ご定年おめでとうございます。長きに渡るお勤め、本当にお疲れ様でした。
田中さんは、仕事に不慣れな私が困っているといつも真っ先にお声をかけてくださいました。見てくれている人がいるのだな、と大変心強かったものです。
そんな田中さんのご退職は私にとっては寂しくもありますが、いつも周囲を気にかけてくださった田中さんが、今度はご自身のために時間を使われるのだなと思うと嬉しくも思えます。
長年、本当にお疲れ様でございました。ご退職後もどうかお元気でお過ごしください。今までありがとうございました。

これは特に役職がついていない、年上の同僚へ向けてのメッセージです。上司ではないので、あまり堅苦しい言葉を使う必要はありません。相手との関係性がわかるような思い出のエピソードを入れると、より具体的なメッセージになります。

相手が上司の場合はメッセージ内でも役職を付けて呼び、仕事で面倒を見てもらったことをや学ばせてもらったことを全面に出した文章を意識しましょう。

退職する上司へのメッセージ

退職をするのが上司で、定年退職ではなく私事都合によるのであれば「これまでのお礼」を中心としたメッセージがおすすめです。

山田課長、これまでのご勤続お疲れ様でございました。
山田課長とは、これまでたくさんのプロジェクトでご一緒させていただき、その度に貴重なビジネスノウハウをご教示いただきました。今の私がビジネスマンとして何とかやって来られているのは、一重に山田課長のおかげです。
山田課長に教えていただいたことを胸に、精進できるよう努力いたします。今までありがとうございました。

定年退職以外の退職理由は、転職や開業、家庭の都合などがあります。周囲から見ればおめでたいと感じることでも、本人もそう感じているとは限りません。そのため、お祝いの気持ちよりもこれまでのお礼に特化した方が無難です。

もちろん、退職の動機がポジティブなもので、それを本人も喜んでいる場合はお祝いの言葉を含めた方が良いでしょう。

退職者へのメールメッセージ文例(取引先担当者へ)

退職者が、たとえば取引先の担当者など、対面で挨拶ができないこともあります。その場合はメールなどを利用して、メッセージを送ると良いでしょう。

件名:【山本様】大変お世話になりました

株式会社田中産業
営業部 山本様

いつも大変お世話になっております。
佐藤興業株式会社の鈴木でございます。

本日は、ご退職される山本様へ一言お礼を申し上げたくご連絡いたしました。

山本様、これまで大変お世話になり、本当にありがとうございました。
山本様には、貴社とのお取引はもちろん、その他の部分でも多くのことをご教示いただきました。
私のような経験の浅い者の意見も尊重してくださり、様々なお心遣いをいただいたことも大変嬉しかったものです。

そんな山本様のご退職は、私にとって大変寂しく、心細い思いもございます。
しかしながら、このご退職を機に、山本様はご自身の世界を一層広げられるのだろうと思うと、嬉しい気持ちも出てまいりました。

またいつか、どこかでご縁をいただけることを祈りながら、私も日々精進して参ります。
どうか山本様もお身体を大事に、いつまでもお元気でご活躍ください。

今まで本当にありがとうございました。

佐藤興業株式会社
商品開発部 鈴木一郎

取引先担当者へのメッセージは必ず送らなければならないものではないだけに、何と書けば良いのか迷いやすいものです。基本的にはお礼と、相手の今後の発展を祈る文章があれば十分です。

ビジネスの世界は、どこで誰とつながるかわかりません。また次回縁あって再会する可能性も視野に入れた文章であると尚良いでしょう。
定年退職者への贈る言葉に使える四字熟語

定年退職者へのメッセージに四字熟語を使って、かっこよく送り出したいという人は多いようです。以下では、退職者へのメッセージに使える四字熟語をご紹介します。

定年退職者は、これまでの勤め上げた功労者です。お祝いの気持ちや、これからの人生を楽しんで欲しいという気持ちが伝わる四字熟語を選びましょう。

生涯現役(しょうがいげんえき)

「生涯現役」とは、人は亡くなるまで現役であって、まだまだ人生はこれからであるという意味を込めた言葉です。

生涯現役、田中さんの第二の人生を思う存分楽しんでください
・ご定年後は、趣味のゴルフを思う存分楽しみたいとおっしゃっていましたね。生涯現役、過去最高スコアも夢ではありません
・いつもお元気な田中部長のことですから、生涯現役を地で行かれることでしょう。楽しい時間をたくさん過ごしてください

定年退職を迎えた人が「自分の人生はこれであらかた終わった」と思っていても、これから第二・第三の人生が待っているのだから、これからも前向きに生きてください、という激励の気持ちを伝えます。

悠悠自適(ゆうゆうじてき)・悠悠閑閑(ゆうゆうかんかん)

「悠悠自適」「悠悠閑閑」とは、のんびりと人生を楽しむ様子を表す四字熟語です。

・これまで会社のためにひたすら働き続けて来た田中さんですから、これからは悠悠自適な生活で第二の人生を楽しまれることでしょう
・人生は悠悠閑閑であれ、がお忙しい専務の口癖でした。ご定年後は悠悠閑閑で笑顔の絶えない人生を歩まれますようお祈り申し上げます
・田中さんはこれまでいつも誰かのために頑張って来られました。これからはご自身を優先して、悠悠自適で安らかな毎日をお過ごしください

「悠悠自適・悠悠閑閑」には、のんびりと過ごす様子だけでなく、生活にある程度の余裕がある状態も表します。そのため、おのずと役職付きの人や、余裕のある暮らしをするだろうと思われる人にしか使いません。

しかし、金銭的な余裕がありそうだからと言って「悠悠自適・悠悠閑閑」を使いすぎたり、強調したりすると、やや嫌味な印象を持たれることもあります。「悠悠自適・悠悠閑閑」はさりげなく使うように意識しましょう。