反省文の例文と書き方(会社・ビジネス)

反省文の書き方(会社・ビジネス)

会社員として反省文を書かなければならない場合もあります。

ただし、通常、重大な不始末や事故の場合は始末書の提出が一般的であり、それ以下の些細なことについては口頭注意で済ませる場合が普通です。

反省文の提出を指示されるとしたら、それは会社の規則に基づくものではなく、職場の上司の方針として部下の教育目的からではないかと思われます。

反省文を書く場合、その内容は始末書に準じたもので良いでしょう。まず、自分の失敗・不始末を客観的に明記し、次にその原因を説明し、最後に再発防止の対策や心構えを書きます。もちろん、会社あるいは上司に対する謝罪の言葉も必要です。

反省文の例文

業務上の損失に関する反省文

平成29年12月12日

代表取締役社長 伊藤 博 様

総合企画部 企画第一課
課長 佐藤一郎

企画案不採用の反省文

 私は、平成30年度北大阪市東野地区再開発事業の公募コンペにおいてプロジェクトリーダーとしてチームを率い、最終審査まで勝ち残りながら、近畿建設グループの企画案に破れ、当該開発プロジェクトへの参画の機会を逸しました。当社スタッフと共同・協力企業各社の皆様の努力と熱意を無駄にしましたこと、また何よりも多額の経費を投じながら会社の期待に応えることができなかったことを深く反省し、心よりお詫び申し上げます。
企画コンペが不成功に終わった原因としては、次の2点考えられます。第一に、ツインタワー型の高層マンションと商業ビルをコア施設としたことです。立地条件から地域の景観を損なう危険性があることをスタッフより指摘されていましたが、私は経済性優先の立場からその意見を軽視しました。第二に、私は自ら選任した建築デザイナーの意見を尊重しましたが、デザイナー氏と設計部スタッフの主張はしばしば衝突しました。その結果、細部にわたり緻密に考えられた設計プランを完成させるには至りませんでした。
以上のことは、すべてプロジェクトリーダーである私の責任であります。今後は、このような失敗を二度と繰り返さないよう、スタッフの意見の集約・調整に最大限の努力を払い、少数意見に対しても十分な検討と実証を行い、スタッフ全員の能力発揮を最優先にしたチームワークを目指してまいります。
私の判断ミスによって企画コンペに敗れ、会社にご迷惑をお掛けしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

以上

業務上の社則違反(法令違反)に関する反省文

2017年6月1日

法人営業部部長 後藤 昇 様

業務用車両による駐車違反の反省文

 私は、業務用車両による駐車違反を犯しました。ここに反省文を提出し、お詫び申し上げます。
駐車違反を犯しましたのは、5月31日、納品のために業務用車両に乗車したときのことです。納品先の東都信託銀行 弥生町支店の駐車場が満車であったため、通用口脇の公道に駐車して納品を済ませました。車を離れたのは約10分でしたが、戻ったときには駐車違反のステッカーが貼られていました。
今後は、業務用車両を運転するときには必ず駐車場案内システムを利用することと、駐車場所から納品先まで距離がある場合に備えて台車を忘れずに積んで行くように心掛け、二度と同じ過ちを繰り返さないことをお誓い申し上げます。
このたびは私の不心得から会社にご迷惑をお掛けし、心よりお詫び申し上げます。

法人営業部 営業一課
斎藤次郎

反省文は、具体的かつ簡潔に書く

反省文は、状況を知らない人が読んでも、何が起きて、原因は何で、今後どうすれば良いのか、ということがわかるように書かなくてはいけません。

文書で事の成り行きや心情を第三者に伝えるというのは簡単ではなく、計画的に書かなければ内容が込み入ってしまいます。

語調は「です・ます調」で書き、一文をできるだけ短くするように心がけましょう。語調がバラバラであったり、一文が長い文章だと読み手の理解に支障をきたします。

自分の失敗・不始末について

まずは、反省文を書くことになった自分の失敗や不始末について記述します。

「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「どのように」「なぜ」と5W1Hを意識して書きましょう。

次に、「その事実によって何が起きたか」という結論を示し、次に「反省の言葉」を書いていきます。

原因について

次に「なぜこうなってしまったのか」という原因について書きます。

この部分では「原因となったことの事実」を書きますので、「〜だと思います」などの主観は入れません。自分が見たこと、聞いたことで原因と言えることを書いていきましょう。

反省について

ここからは、自分が考える反省点についてです。

自分の失敗や不始末についてどのように感じているのか、同じことを繰り返さないために自分は今後どのようにするのか、ということを書きます。特に後半部分は、できるだけ具体的な書き方を心がけます。

「今後注意いたします」など漠然とした防止策ではなく、「このようにすれば良かったが、それができなかった、次回から同じことを繰り返さないために、今後はこうしていきます」と具体的な策を立てていることを伝えましょう。

謝罪

最後は、自分の失敗や不始末によって会社やお客様へかけた迷惑についての謝罪です。

この部分は「なんとなく謝っている」と思われないような「具体的な謝罪」をしましょう。「ご迷惑をおかけして」ではなく「〜によって○○したことによって会社に迷惑をかけたから、そのことを深く謝罪する」という文章にします。

読み手に「この人は自分の失敗を受け止めて、次につなげようとしている」「自分の責任をしっかりと理解できている」と感じてもらうことが大切です。

失敗や不手際が起きた時、既に起きてしまった失敗や不始末をどのようにして次回に生かすことができるのか、ということは最も大切なことです。

反省文は何のために書くのかを知っておく

反省文を書くことによって、当事者は自分の失敗や不都合を詳細に振り返ることができます。自分の考えを文字にするということは、自分の記憶に深く刻むための手段です。

さらには、反省文を書き進める内に、最初は気が付くことができなかった、対策や解決方法にたどり着くこともあります。