目次
「啓蒙」とは
まずは「啓蒙」の意味について解説します。
「啓蒙」とは知識の少ない人の知的水準を高めること
「啓蒙」は「けいもう」と読みます。「啓蒙」とは、その事についての知識が少ない人へ知識を与え、その人の知的水準を高めることです。
うちの会社はこれまで製造のみを手掛けて来たが、今回新たな商品開発に取り組むことになったので、外部から開発に詳しい人を呼んで、社員への啓蒙をお願いしています
私はふとしたことがきっかけで、農業についての啓蒙を受け、その後農業の仕事に就くことになりました
「啓蒙」は厳密に言えば、その事柄について全く知らない人へ向けて、その事柄についての気づきを与え、さらに正しい知識へと導くことです。
「啓蒙」の使い方と例文
次に、「啓蒙」の使い方を例文と一緒に見てみましょう。
啓蒙を高める
「啓蒙を高める」とは、それまで知らなかった知識を与えられ、気付きを得て、その分野を知っていく過程のことです。
私は人々の啓蒙を高めるために、小さなことからでも何か活動を始めたいと考えている
彼は私たちの啓蒙を高めようと、日々努力を重ね、さまざまな言葉で導いてくれている
「啓蒙」は、知識がない人へ一から知識を与えていくことです。そのため、単に何かを習うことに比べると時間がかかります。
その時間経過とともに増えていくその分野の知識や考え方の、増え方を表すのが「啓蒙を高める」という表現です。
啓蒙活動
「啓蒙活動」とは、啓蒙を高めるために、啓蒙をする人が行う活動のことです。
彼は啓蒙活動に余念がない、いつもそのことを考えて行動に起こしている
啓蒙活動には、周囲の協力も必要だと聞いたことがある、ぜひ私にも手伝わせてほしい
啓蒙思想とは
「啓蒙思想」とは、17~18世紀のヨーロッパで広まった合理主義の考え方です。権威を否定して、人の理性によって進歩するべきという考え方で、思想家のロックやルソーが支持していたと言われています。
啓蒙主義とは
「啓蒙主義」とは、ルネッサンス後期~18世紀にヨーロッパで起こった改革的思想運動の一方の立場のことです。人間の解放のためにとる合理主義の立場で、当時のヨーロッパでは啓蒙思想こそが全てである、と考えられていました。
「啓蒙」の言い換えに使える類語
次に、「啓蒙」と似た意味を持つ類義語について解説します。
「啓発」とは専門家がその知識を持たない人へ導くこと
「啓蒙」と非常に似た意味を持つのが「啓発」です。「自己啓発」など、一般的には「啓蒙」より多く使われている言葉かもしれません。
私は営業のスペシャリストから、営業テクニックの啓発を受けることになった
彼は自己啓発の本をよく読んでいるだけあって、多くの考え方や方法を知っている
「啓発」とは、ある分野の専門家が、その知識を持たない人へ教えて導くことを意味します。一般的な「教える」に近いのが、この「啓発」です。
「啓蒙」と「啓発」の違いに迷ったら、自己啓発という言葉を思い出すと良いかもしれません。自己啓発書は、人が元々持っている知識や性質を向上させることで、願望を叶えられるように専門家が書いています。
「啓蒙」はまったく始めてのことを最初から学ぶ、と考えると「啓発」との違いがわかりやすいでしょう。
「蒙を啓く」もうをひらく
「啓蒙」と同じ意味を持つ、別の言葉に「蒙を啓く(もうをひらく)」があります。「蒙を啓く」も、知識を持っていない人へ向けて、一から知識を与える、という意味の言葉です。
あなたはこの分野についてはまだ何もしりません、これから少しずつ蒙を啓いていきましょう
私はこの機会に、自分がこれまで興味を持ったことがないことについての蒙を啓いてみようと思う
「蒙を啓く」は「啓蒙」の漢字を入れ替えただけの言葉です。「啓蒙する」を別の言い方にすると「蒙を啓く」となります。
あまり一般的に多く使われている言葉ではないため、言葉の意味を理解してもらえない可能性もあるでしょう。