【目上へ】定年退職祝いの例文と書き方

定年退職祝いの例文と書き方

仕事上の付き合いがある人に送る定年退職のお祝い状です。はがきで送ることを前提に例文を紹介します。

定年退職祝い文の書き方

定年退職祝いの文章に、決まった書き方はありません。相手の定年を祝う気持ちが込められていれば、特にどのような形式で書いても失礼になることはないでしょう。

しかし、行き当たりばったりで書くと文章の意図が伝わりにくくなります。定年退職祝い文のおおまかな流れを把握しておいてください。

文頭にはお祝いの言葉を書く

定年退職祝いの文頭には、お祝いの言葉を書きます。例えば「この度はご定年おめでとうございます。○○さんのご定年退職を心よりお喜び申し上げます」などです。

お祝いの言葉を文頭に書くのは、定年退職祝いを読んだ本人が、最初にお祝いの言葉を目にするための心遣いです。

せっかくのお祝いの言葉が文章の中に埋もれてしまうのはもったいないですし、文章の趣旨も伝わりにくくなります。

会社生活を振り返る

定年退職祝いには、これまでの会社生活のことを思い返せるような一文があると喜ばれます。

例えば「私が入社したころ、〇〇さんは私の教育係としてさまざまなことを教えてくださいました。今の私があるのは一重に○○さんのおかげです」や「ピンチのときにはいつも○○さんが助けてくださったように思います」などです。

読んだ本人が「そんなこともあったな」と懐かしく思い返せるような内容を選ぶと良いでしょう。

今後の活躍を祈る

定年退職祝いでは、定年後の活躍を祈る文章があると喜ばれま。例えば「○○さんが、昔から仰っていた奥様との世界一周旅行が実現するように祈っています」や「ご定年後のご活躍をお祈りします」などの言葉もおすすめです。

いずれにしても読んだ相手が、これからの将来に期待を膨らませられるような言葉を選ぶと良いでしょう。

お祝いの気持ちを書く

定年退職祝いには「おめでとうございます」というお祝いの言葉を書きますが、できればもう少し具体的でこちらが喜んでいる様子が伝わるような文章を添えたいものです。

例えば「これまで仕事一筋だった○○さんが、これからどんな趣味を見つけられるのか楽しみです」とか、「○○さんのことですから、これからもきっと楽しい毎日を送られるのだろうと、自分のことのように嬉しく思います」などでしょう。

定年退職祝いを読む相手はきっとこう思っているだろう、と想像できる内容をお祝いの言葉に添えると、嬉しさが膨らみ、これから始まる新しい生活がさらに楽しみと感じるのではないでしょうか。

再度お祝いの言葉で締めくくる

定年退職祝いの最後は、お祝いの言葉で締めくくります。「ご定年本当におめでとうございます」「ご定年、誠におめでとうございます」などが一般的です。最後に再びお祝いの言葉で締めることで、相手は読み終わった後に良い印象が残りやすくなります。

本人との間柄によっては「今度ご定年祝いの食事にいきましょう」や「近々ご挨拶にうかがいます」などの一言を添えるも良いかもしれません。

定年退職祝い文を書くときのポイント

定年退職祝いを書くときには、注意しておきたいポイントがあります。こちらが祝っている気持ちが、間違いなく相手に伝わるよう事前に大切なポイントを確認しておいてください。

時期を外さない

お祝い事は、定年退職祝いに限らず時期を外さないことが大切です。最も望ましいのは、定年退職当日に定年退職祝いが届くというタイミングでしょう。当日ではなくても、定年退職から数日のうちには相手の手元に届くようにしてください。

あまり遅くなりすぎると、定年退職祝いをもらった相手もこちらに気を使わせているのではないか、など余計な心配をしやすくなりますし、喜びが半減することもあるかもしれません。

定年退職の時期や日時は前もってわかることなので、できるだけタイムリーな定年退職祝いになるよう意識しましょう。

本人が喜ばない話題には触れない

定年退職祝いの手紙に書く話題は、本人も懐かしく思うものや、喜ぶもの選びましょう。

例えば、本人があまり思い出したくない話題や、恥ずかしく思うような話題はタブーです。周囲としては笑い話や思い出話であっても、本人も同じとは限りません。

定年退職祝いは本人が喜ぶ内容でなければお祝いとしての機能が果たせなくなります。本人が読んで懐かしく思う、または嬉しく思うような話題を選ぶようにしてください。

ネガティブなことを書かない

定年退職祝いの文章で、ネガティブな話題は避けましょう。「うちの会社はもうダメだめです」「今のままでいつまでも働き続けるつもりはありません」など、ネガティブなことを書くと、相手まで暗い気持ちになります。

「○○さんの足元にも及びませんが、私なりに精一杯がんばります」「○○さんの名に恥じぬようこれからも第一線で活躍できる会社で有り続けます」など、ポジティブな言葉をかけることを意識をしてください。

定年退職祝いは門出を祝うものです。お祝いの文章であるということを念頭に置いて書くようにしましょう。

忌み言葉を使わない

お祝いの文章には忌み言(いみことば)を使わないように注意してください。忌み言葉とは縁起の悪い言葉のことです。「死」「不幸」などはもちろん、間接的な意味の言葉でも捉えようによっては縁起が悪いと感じる言葉はたくさんあります。

特に定年退職祝いの文章でうっかり使ってしまいがちなのは「敗れる」「失う」「落ちる」「閉じる」「枯れる」「さびれる」「火」「焼ける」「燃える」「倒れる」「飛ぶ」「こわれる」「傾く」「流れる」「つぶれる」「煙」「赤」「灰」などです。

悪気はなくても忌み言葉が含まれたお祝い文は失礼です。忌み言葉を使わず、似た意味を持つ言葉に変えて書くようにしてください。

【定年退職のお祝い状例文】①

拝啓 花霞のみぎり、秋山さんには益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、この度は晴れてご定年を迎えられ誠におめでとうございます。
お子様方も皆さんご立派に成長されて、これからは奥様と二人三脚の第二の人生ですね。
私は、定年退職までまだ十年以上勤めなければならないでしょうが、秋山さんご夫婦を模範にして、がんばって働いてまいります。今後もぜひご指導のほどお願い申し上げます。
末筆ながら、秋山さんとご家族のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具(※行末へ)

【定年退職のお祝い状例文】②

謹啓 桜花爛漫の候、秋山様には愈々ご健勝のこととお慶び申し上げます。また、この度は晴れて定年退職の日をお迎えになられ誠におめでとうございます。
ご在職中の思い出として私が今も大切にしているのは、一度だけきびしいお叱りを受けたことです。秋山様の真剣なお言葉に圧倒され、そのお蔭で今に至る私の進路を拓いていただけました。そのご恩をけっして忘れません。
秋山様からいただいた数々のお教えを胸に、これからも仕事に邁進して参ります。何卒いつまでもお元気にて私どもを叱咤激励してください。
最後になりましたが、長年のお勤め、誠にご苦労様でした。これから始まる第二の人生に幸多からんことを心よりお祈り申し上げます。
敬白(※行末へ)