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ご愁傷様 の意味
「ご愁傷様」とは、人の死を悼んで遺族に述べるお悔やみの言葉です。
本来、「愁」は「憂い」(うれい)であり、物悲しさのことを指します。「傷」は「痛み」(いたみ)であり、強い悲しみを意味します。総じて、人の死による嘆きや悲しみを意味する熟語となりました。
「ご愁傷様」は、葬儀の場などで遺族に述べるお悔やみの言葉の常套句です。
一方、「ご愁傷様」は、お悔やみの言葉から転じて、親しい人に対する普段使いの慰めや同情の気持ちを表現する言葉としても使われます。「お気の毒」・「残念」といった意味合いです。
ご愁傷様の例文
この度は、誠にご愁傷様です。
お母上が亡くなられご愁傷様です。
ご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げます。
この度はご愁傷様でございます。ご尊父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
※「悔やむ」は、人の死を悲しんで弔う(霊を慰める)ことです。
※「悼む」(いたむ)は、人の死を嘆き悲しむことです。
この度はご愁傷様でございました。ご母堂様のご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
※「ご愁傷様でございます」は、習慣的に「ご愁傷様でございました」という過去表現でも用いられます。
※「冥福」は、死後の幸福のことです。
この度は誠にご愁傷様でございます。ご令室様のご逝去を悼み、心からお悔やみ申し上げます。
※「令室」は、他人の妻に対する尊称です。
この度はご愁傷様でございます。ご主人様のご逝去を悼み、謹んで哀悼の意を表します。
この度は誠にご愁傷様でございます。佐々木部長様の突然の訃報に接し、謹んで哀悼の辞を表します。
※現在の企業社会の慣例として役職名には敬称の「様」を付けませんが、弔文では「ご主人様」などと同様に「様」を付けることが習慣になっています。
※「哀悼」は、人の死を悲しんで心が痛むことです。
※「哀悼の意」は、お悔やみの気持ちのことであり、「哀悼の辞」は弔辞のことですが、どちらもお悔やみの言葉を述べることですから、厳密に区別して使う必要はありません。
この度は誠にご愁傷様でございます。社長様のにわかのご逝去は、誠に痛恨の極みでございます。
※「にわか」は、突然であることを意味します。
※「痛恨」は、大変に残念という意味です。
この度はご愁傷様でございます。突然の悲しいお知らせに接し、哀惜の念に堪えません。
※「哀惜」は、人の死を悲しみ惜しむことです。
この度はご愁傷様でございます。ご遺族の方々のお悲しみはいかばかりかとお察し申し上げます。
この度はご愁傷様でございました。ご家族のご傷心はいかばかりかとお察し申し上げます。
この度は誠にご愁傷様でございます。社員の皆様のご無念はいかばかりかと拝察申し上げます。
※「如何ばかり」は、「どれほどか」と思い遣る意味です。
「ご愁傷様」以外のお悔やみの言葉
不幸があった場合に使う「ご愁傷様」は「ご愁傷様です」「ご愁傷様でございます」などと使われます。
「お悔やみ申し上げます」
「お悔やみ申し上げます」は、亡くなった方の親族に限らず、関係者の方などへ向けても失礼の無い言葉です。
「哀悼の意を表します」
「哀悼の意を表します」は文章で使われる書き言葉です。口頭では使いませんので注意しましょう。
「ご冥福をお祈りいたします」
「ご冥福をお祈りいたします」という言葉は、亡くなった本人へ向ける別れの言葉の一つです。
「ご愁傷様」は一緒に使う言葉が大事
不幸ごとというのは、大抵が突然のことで困惑してしまうものです。相手との関係性などによっては、お悔やみの気持ちを何と伝えれば良いのかわからないこともあるでしょう。
「ご愁傷様」という言葉は、お悔やみの言葉として失礼がなく安心して使うことができますが、その言葉だけでは不十分です。
お悔やみの言葉は「ご愁傷様」と一緒に使う言葉がとても大事な役割をします。
「言葉がありません」
「この突然の不幸に何と言えば良いのかわからない」と感じるその気持ちこそがお悔やみの言葉です。
「誠にご愁傷様でございます。突然のことで何と申し上げれば良いのか、言葉がこざいません」などとすることで、亡くなったとの突然の別れを受け入れがたい気持ちを遺族の方に伝えることができます。
「何かお役に立てることがあれば」
遺族の方や、亡くなった方が勤務されていた会社の方などは、その後の対応に追われます。時間はいくらあっても足りず、悲しみにくれている暇が無いことも多いものです。
その気持ちを汲んで「このたびはご愁傷様でございます。私でも何かお役に立てることがあればお申し付けください」などと伝えると、相手はそれが社交辞令とわかっていても安心するものです。関係性によっては実際にお役に立てることもあるかもしれません。