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「ひたすら」の意味と使い方
「ひらすら」は日常会話やビジネスシーンで多く使われる言葉です。以下では「ひたすら」の意味と使い方について解説します。
「ひたすら」とは精神や意思を集中させる様子
「ひらすら」とは、他のことはすべて無視をして、そのことだけに精神や意思を集中させるという意味です。
・私は彼の気持ちを変えようとひたすら話し続けた
・私は取引先との約束時間まで、ひたすらに書類を作成し続けていた
・課長が得意先にひたすら謝る姿を見て、部下である私も気持ちを入れ替えようと思った
「ひたすら」には、その事柄に終始し、その事柄のためにすべてを注ぐ様子が含まれています。自分や他人が何かに一生懸命に取り組んでいる様子が「ひたすら」です。
「ひたすら」には「それがすべて」という意味もある
「ひたすら」には、もうひとつ「それがすべて」という意味もあります。
・彼はひたすら彼女の無事を祈った
・彼はひたすら走った、時間も寒さも感じないほどに
・私はただひたすら食べた
この「ひたすら」も精神を集中して行っていることに変わりはありませんが、今行っていることがすべて、それ以外のことが無いという意味での「ひたすら」です。
「ひたすら」の漢字と品詞
以下では「ひらすら」の漢字と品詞について解説します。
「ひたすら」の漢字は「只管・一向」
「ひたすら」を漢字で書くと「只管」です。読み方が大変難しく、「只管」を「ひたすら」と読めない人も多いでしょう。そのため、手紙や文章に書く場合はひらがなで書くのが一般的です。
また「一向」と書いて「ひたすら」と読むこともあります。この「一向」で「ひたすら」と読むのはあて字と言われています。正式な「ひたすら」の漢字ではないので、やはり手紙や文章では避けられることが多いようです。
「ひたすら」の品詞は「副詞・形容動詞」
「ひたすら」の文法的な品詞は「副詞」と「形容動詞」です。
副詞:単体で意味を持つ語
形容動詞:述語が必要
たとえば「ひたすら祈る」は副詞としての「ひたすら」が使われています。一方、「ひたすら彼女の無事を祈る」は形容動詞としての「ひたすら」が使われています。
「ひたすら」の言い換えに使える類語と例文
以下では「ひたすら」の言い換えにも使える類義語を、例文と一緒に解説します。
一途(いっと・いちず)
「一途(いっと)」とは、その道しかない・前進するばかり、という意味です。「ひとえに」と同じように、そのことに集中する様子が伝わります。
・日本の治安は悪化の一途を辿っている
・彼の体調は快方の一途だ
・会社の業績は年々減少、従業員の給料も減額の一途を辿るしかないだろう
「一途」と同じ漢字で「いちず」とも読みます。「いちず」とは、ただひとつのことに打ち込んで、他を顧みない様子のことです。
・彼は彼女に一途で、他の女性には見向きもしないそうだ
・彼女は仕事一途、ショッピングやグルメよりも仕事が楽しくて仕方がない様子
・好きなお菓子はチョコレート一途です、チョコレートがあれば何も要りません
同じ漢字で「いっと・いちず」と2つの読み方があるため、文章内ではどちらの意味で書かれているかは前後の文章でしか判別できません。その点を踏まえて、文章内では「何に対してどのように一途なのか」ということを明確にした方が良いでしょう。
専ら(もっぱら)
「専ら」とは、そればかりで混じり気のない様子を意味します。
・彼は専らアウトドア派だと聞いている
・この案は専ら消費者の使いやすさだけを考えて作りました
・私の休日は専ら掃除と洗濯です
「専ら」には、他のことにはかかわらず、そのことだけに集中するという意味があります。「ひたすら」と同じで、精神や意思のすべてを注ぐイメージです。
「専ら」はもともとは「もはら」と読みます。しかし「もはら」が使われる内に、言いやすい「もっぱら」へと変化したようです。そのため、現代でもご年配の方の中には「もはら」と発音する人もいます。