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目上の人への適した返事とは
目上の人に呼ばれたり、話しかけられたりしたとき、会話の中などでする「返事」に迷う人は多いようです。同僚や部下への返事であれば無意識にできても、相手が目上の人となると「失礼にならないか」と心配になります。
以下では、目上の人に適した「返事」のフレーズについて解説します。
目上の人への返事一覧
さようでございます
「そうです」を意味する「さようでございます」は、目上の人への返事として頻繁に使われています。
これは君が担当している案件で間違いないですか?
→はい、さようでございます、私が担当いたしております
来週の予定だけれど、先方の希望は13時だったよね?
→はい、さようでございます、13時でお約束しております
この製品は、個人でも購入できるのでしょうか?
→はい、さようでございます、個人のお客様にもお求めいただける製品でございます
「はい」という受け止めと、「さようでございます」に補足する情報を付け足すことで印象の良い返事となります。
さようでございましたか
「さようでございましたか」は「そうだったんですか」という意味の返事です。「さようでございます」は「そうです」なので混同しないようにしましょう。
本日の13時頃、佐藤さんを訪ねて会社に伺ったのですが、外出なさっていました
→さようでございましたか、せっかくおいでくださいましたのに失礼いたしました
先日話したときから、少し状況が変わってしまったのだけど
→さようでございましたか、ではもう一度お伺いしてもよろしいでしょうか
かしこまりました・承知いたしました
「かしこまりました」「承知いたしました」は、いずれも目上の人への返事として非常によく使われます。この2つは基本的にはどちらも「わかりました」という意味です。
今日はお客様が来るので、会食の準備をしておいてください、佐藤様の好みは和食だそうだ
→かしこまりました、すぐに手配いたします
明日の会議では君に司会をしてもらうので、準備をしておいてください
→承知いたしました、準備を進めておきます
「かしこまりました」と「承知いたしました」の違いは、厳密に言えばあります。
しかし、現代ではそこまで細かい区分けはされておらず、どちらも「わかりました」の意味で使って問題ありません。
あいにくお受けいたしかねます
「あいにくお受けいたしかねます」とは「できない」という断りの返事です。目上の人へ、相手の要望通りにできないことを伝える場合は「~しかねる」という表現を使います。
注文した製品の納期を早めてもらうことはできますか?
→申し訳ございませんが、あいにくお受けいたしかねます、最短でもお約束の日時でのお届けとなります
退社時間間際に申し訳ないが、本日中にこの資料をまとめてもらえないかな?
→あいにく本日は予定があり、お受けいたしかねます、明日のお昼までお時間をいただければ可能ですがいかがでしょうか
「あいにく」とは「都合の悪い状態にあること」です。「要望通りにしたい気持ちはあるが、状況的に困難」であることを伝えています。
~でございます・~様でいらっしゃいますね
「~でございます」は「~です」という意味、「~様でいらっしゃいますね」は「~様ですよね」という意味です。どちらも目上の人や取引先の人との会話でよく使われます。
この商品のパンフレットをもらえますか?
→かしこまりました、こちらがこの製品のパンフレットでございます
先ほどお電話したものです、佐藤さんとお約束して参りました
→お待ちしておりました、鈴木様でいらっしゃいますね
「~でございます」は「物」または「自分」について使う言葉です。「ございます」の原型は「あります」なので、基本的には人に対して使いません。自分のことを「佐藤でございます」などというのは、へりくだった表現です。
目上の人への返事NG例
最後に、目上の人への返事として相応しくないフレーズをご紹介します。
うん、うん・はぁ
目上の人への返事や相槌は「はい」が基本です。そのため「うん」や「はぁ」は使いません。
会話が長くなると、つい気が抜けてきて口から出てしまいがちですが、きちんと「はい」と答えるように意識しましょう。
わかりました
「わかりました」は、敬語ではなく丁寧語です。そのため、目上の人への返事として相応しいとは言えません。
ただし、日常的にはビジネスシーンであっても「わかりました」が使われていることが多くあります。
いいですよ
「いいですよ」は、相手の要望や要求を受け入れる言葉です。ついうっかり口にしてしまう人も多いでしょう。しかし、目上の人への返事としては相応しくありません。