【目上へ】お言葉に甘えての意味と使い方・例文

「お言葉に甘えて」の意味とは

「お言葉に甘えて」とは「その人の好意に甘える」「その人の親切に甘える」という意味です。他人の好意からの申し出を快く受け入れるときや、親切な言葉に素直に従うときなどに使用します。「言葉に甘える」というのは比喩表現で、正確には「その言葉を放った、その人に甘える」という状態です。

また、個人的な好意や親切心からではなく、ビジネス上で取引先から有利な提案やサービスの供与を受けたときなども、それを甘受するときの儀礼的な言葉遣いとして使用することがあります。

なお、「ご好意に甘えて」や「ご親切に甘えて」は、相手の言葉だけでなく行為に対しても使いますが、「お言葉に甘えて」は、会話や相手の書簡などにその「お言葉」があった場合に限り、それに対する返答やお礼状の中で使います。

「お言葉に甘えて」は、ビジネスシーンだけでなく日常生活でもよく耳にします。しかし「甘え」という言葉が含まれていることから、使う場面や相手に迷ってしまいがちでもあります。

「お言葉に甘えて」という言葉は、目上の人にも使うことができます。しかし「お言葉に甘えて」という言葉自体は敬語ではありません。「言葉」に丁寧語の「お」がついているだけの言葉なので、「お言葉に甘えて」の後に続く部分を丁寧に表現する必要があります。

敬語ではない分、敬語を使わなくて良い相手にも「お言葉に甘えて」はそのまま使うことできます。

「お言葉に甘えて」は、丁寧語の「お」がついていますが、丁寧語は敬語ではないため、特に言葉の形を変える必要はありません。

相手から何かを勧められた場面で使えるのが、「お言葉に甘えて頂戴します」です。お茶や食事など、相手の厚意によって差し出されるものを、遠慮をしながら受け入れるときに「お言葉に甘えて」が機能します。

相手から勧められたものは、受け取ることがマナーではありますが、あまりにすんなりと受け取ると図々しく見られることもあります。

「お言葉に甘えて頂戴いたします」と一言添えて受け取ると、相手からの印象が良いでしょう。

それじゃ、お言葉に甘えて。（親しい人への軽い返事）

それでは、お言葉に甘えてお先に失礼します。

お言葉に甘えて、ありがたく頂戴いたします。

お言葉に甘えて、お申し出をお受け致します。

お言葉に甘えて参加させて頂きましたが、なにぶん未熟者ですので、皆様にご迷惑をお掛けしたのではと気に掛けております。

「お言葉に甘えて」は、相手からの言葉がなければ使えないということは先にお伝えしました。言葉が添えられていない気遣いや厚意を受け入れる場合には、「お言葉に甘えて」の類語を使うと良いでしょう。

「ご厚意に甘えて」とは、相手が自分のことを思って向けてくれた厚意に甘えるという意味です。「お言葉に甘えて」と違って、相手からの厚意が言葉になっていなくても使うことができます。

「厚意」とは、相手が自分のことを思ってくれている気持ちのことで、親切心や思いやりを指しています。同じ読み方をする「好意」は相手のことを好ましく思う気持ちという意味です。

「お気持ちに甘えて」も、相手からの言葉がない場面で使うことができます。人の気持ちの表し方や、受け止め方は人によって異なります。そのため、自分が「相手の気持ちがうれしい」と感じ、その気持ちに従おうと思ったのであれば「お気持ちに甘えて」を使うことができます。

「お気持ちに甘えて少し休憩させていただきます」「お気持ちに甘えてたくさんいただきました」などと使い、相手からの気遣いを嬉しく思っている感情を伝えることにも使えます。