痛み入りますの意味と使い方
「痛み入る」は、心の痛みを感じるという意味の動詞「痛む」の連用形にそのような感情が深いことを意味する補助動詞「入る」(いる)が接続した動詞です。他人からの好意、親切、厚遇などに対して感謝の気持ちを表します。
「恐れ入る」や「恐縮」とよく似ていますが、相手への失礼や迷惑で身が縮むというお詫びの意味では使わず、あくまでも感謝の言葉として用います。
しかし、多少古風な響きがありますので、改まった場や手紙などに向いている言葉です。なお、対等以下の人に対しては、だ・である調で「痛み入る」と言ったり書いたりすることもできますが、そうすると滑稽な言葉遣いになります。
痛み入りますの例文
「痛み入ります」の言い換え
お礼や感謝の意味で「痛み入ります」を使う場合は、他の言葉に置き換えることもできます。
相手との関係性や距離感、自身の年齢などによっては「痛み入ります」という言葉が正しく機能しない可能性もあります。特に年齢は「痛み入ります」という言葉自体が古風ということもあり、比較的若い方が使うと「仰々しい」「自分の言葉ではない」と感じられることもあるでしょう。
「お心遣いに感謝いたします」
相手から褒められたり、気遣われたときには「お心遣いに感謝いたします」と伝えると良いでしょう。相手が自分のことを思って言ってくれた言葉や、してくれた行いに対して感謝の気持ちを伝えることができます。
さらには「あなたが私のことを思って言ってくれた(してくれた)ということは、きちんとわかっています」という、心情に対しての理解を示すこともできます。
「恐縮でございます」
「恐縮」という言葉だけでは「痛み入ります」の言い換えとしては不十分ですが、言葉を付け加えることで似た働きをさせることができます。
たとえば、相手から褒められた場合は「お褒めにあずかり恐縮でございます」などとして気持ちを伝えることができます。
「痛み入ります」と言われたときの返し方
自身が言ったことやしたことに対して、相手が「痛み入ります」という言葉をかけてくれたときにはどのように返すのが良いでしょうか。
せっかく相手が「痛み入ります」という格式の高い言葉を選んでくれたのですから、こちらもそれに見合うような言葉で返したいと考える方は多いでしょう。「いえいえ」「いいんです」などでは、相手の気持ちを受け止めきれたとは言いにくいかもしれません。
「とんでもないことです」
「痛み入ります」という言葉には「とんでもないことです」または「とんでもないことでございます」が無難でしょう。
「とんでもないことです」という言葉には「当たり前のことです、お礼には及びません」というニュアンスが含まれています。大変スマートでありながら、相手がくれた感謝の気持ちをしっかりと受け止めることができる言葉と言えるでしょう。