「提案」とは
ビジネスシーンでは「提案」という言葉が頻繁に使われます。まずは「提案」という言葉について確認しておきましょう。
相手に考えを提出すること
「提案」とは、こちらの考えを相手に提出することです。
本日ご提案するのは、御社の売上に貢献できる、新システムの導入計画です
営業部では新人の伸び悩みが課題となっています、そこで提案なのですが新人のブラッシュアップ研修を行ってはどうでしょうか
今回私が提案するのは、経費削減を目的としたオフィス環境の見直しです
提案の「提」には「手にさげて持つ・とり出す」という意味があります。「案」とは「考え・計画」などです。
つまり「提案」とは、自分の持っている考えや計画を相手に持ち出す(差し出す)、という意味で使われます。
「提案」の敬語は「ご提案」
「提案」は名詞なので、厳密にいえば敬語は存在しません。しかし、ビジネスシーンなどで目上の人へ向けて使う場合は、丁寧語の「ご提案」を使うのが一般的です。
先日ご提案させていただいた件ですが、その後ご検討いただけましたでしょうか
御社へご提案いたしましたプランを、まとめたものがこの資料です
「ご提案」は謙譲語にもなる
先に解説した「ご提案」は、丁寧語であるため、使い方によっては謙譲語としても機能します。自分が相手からされた「提案」を「ご提案」として、丁寧に発する場合です。
御社のご担当者様よりご提案いただいた件ですが、現在弊社内にて検討いたしております
前回、佐藤様がご提案くださった内容を私なりに資料にまとめさせていただきました
提案をする場合のメール例文と書き方
以下では、実際にメールで提案をする場合の例文と、書き方について解説します。
【お客様管理システムについてのご提案】
株式会社佐藤商会
営業部 田中様
いつもお世話になっております。
山本商事の山本でございます。
本日は以前ご要望をいただいておりました、貴社のお客様管理システムについてご提案させていただきたく、ご連絡いたしました。
~提案内容~
ご提案は以上でございます。
前回、田中様より伺ったお話を元に弊社で考え、今回のご提案内容となりました。
田中様が改善したいとおっしゃっていた〇〇については、このご提案でほぼ解決できるのではないかと考えております。
もちろん、このご提案をご検討いただいた上で足りない部分や変更したい部分がございましたら、ご遠慮なくお知らせください。
ご連絡方法は、このメールへのご返信でも結構ですし、お急ぎの場合はお電話でも承ります。いつでもご連絡くださいませ。
それでは、何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
株式会社山本商事
山本一郎
提案メールの書き方
では、例文と一緒に提案メールの書き方について確認しましょう。
①タイトルは「〇〇のご提案」など
メールのタイトルは、相手が受信ボックスを見てすぐに内容がわかるようにします。何かの提案など、相手に間違いなく目を通してほしいメールは、タイトルが非常に重要です。
タイトルだけで「中身が提案である」とわからない場合、相手の状況によっては読み飛ばされてしまう可能性があります。
②文頭の挨拶
次に、メール文頭の挨拶です。ビジネスメールの挨拶部分は「お世話になっております」が一般的でしょう。
もしも、初めて連絡をするメールの場合は、まだ関係性がないため「初めてご連絡させていただきます」など、他の言葉で挨拶につなげた方が無難です。
株式会社〇〇
田中一郎様
初めてご連絡させていただきます。
私はオフィスサービスを行う、株式会社×× 営業部の山本と申します。
今回は貴社へぜひご提案したいサービスがあり、株式会社△△の鈴木様よりご紹介いただいた、田中様へご連絡をさせていただきました。
初めての相手へ、提案のメールをする場合は上記のように書きます。
③提案したい事柄と提案する理由
次に、本題である「提案したい内容」を書きます。この時に「なぜこれを相手に提案したいと考えたのか」という理由も忘れないようにしましょう。
例文では、事前に相手から聞いていた悩みを解決するために考えて検討する、としています。
④検討結果の連絡方法
提案をしたのであれば、相手からの検討結果をどのようにして受け取るのかも書く必要があります。メールへの返信、電話、訪問など、方法は複数あるため行き違いを防ぐためにも指定した方が良いでしょう。
⑤締め文
最後は「ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」などの、締め文で終えます。
一般的なビジネスメールでは「今後ともよろしくお願いいたします」などが多く使われますが、提案メールの場合は相手に検討してもらわなければなりません。
その点を考慮して「何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」などとすると良いでしょう。