人権作文の例文と書き方

人権作文の例文と書き方

人権作文は、日常生活の体験から基本的人権について考えさせられたことを作文にしたものです。

身近なところに、人権侵害や人権軽視につながる出来事がなかったか考えてみましょう。

中学生のために、人権作文の書き出し部分をいくつか例文として紹介します。

人権作文のテーマ

一口に「人権作文」と言っても、どのような人権をテーマにするのかを決めていなければ書くことができません。まずは、人権作文のテーマを決めましょう。

人権作文に用いることができる人権の種類についてしてください。人権作文で取り扱いやすいテーマは以下の2つです。

考えや表現の人権

自分や他人がそれぞれ個人で考えることや、表現することも「人権」です。

「個人の考え方を否定されたことについて書く人権作文」や「話したり、歌ったり、踊ったりという表現を侵害されたことにつちえ書く人権作文」などを書くことができます。

平等であることの人権

誰もが、その生まれや生活環境、国籍・人種などによって差別されないことも「人権」です。

「出身地を理由に差別をされたことについて書く人権作文」「貧困を理由に差別されたことについて書く人権作文」などを書くことができます。

人権作文の目的

人権作文は、読んだ人に「共感をしてもらうこと」を目的に書きます。これは、書き手と読み手が共鳴することで、人権を守る環境を整えて行くための目的です。

読み手に共感をしてもらうためには、人権侵害についての背景説明や、人物についての説明、周囲の反応や環境などについても触れなければなりません。

読み手に必要な情報を渡した上で、作文に共感してもらえるよう意識をして書きましょう。

人権作文の書き方

人権作文の書き方は決まっていません。作文なので書く人の考え方や感覚によって内容が変わります。

しかし、思ったまま、感じたままに人権作文を書くと、読み手が読みにくく、共感がしにくい文章になることもあります。人権作文の大まかな構成を知っておくとまとまりのある文章にすることができます。

体験談を書く

人権作文は基本的には体験談を書きます。これは人権侵害を受けた本人であればもちろんですが、その周囲で事の成り行きを見ていた人にとっての体験談でも構いません。

最初に「私は学生の頃、人権侵害を目の当たりにしました」など、自分視点からの書き方でも良いですし、「私のクラスには○○出身の生徒がいました」など、人権侵害を受けた本人に成り代わった書き方でも良いでしょう。

その他にも「私が初めて人権を意識したのは、小学校6年生のときです」など、時期や環境を語るところから初めても良いかもしれません。

自分がどう感じたか

人権作文は「共感をしてもらう」ということを目的に書きます。そのため「自分がどう感じたか」という部分は非常に重要です。

「私はそんな彼女のことを少し差別した目で見ていたのかもしれません」「周囲が彼を差別しているという現実が、私に人権侵害の恐ろしさを教えてくれました」など、自分の気持ちに正直な感想の方が、読み手は共感しやすくなります。

人権作文は、きれいで美しい内容ばかりではありません。自分自身の間違った先入観や思い込みなどをさらけ出すことも大切な要素です。

体験に基づく提言

体験を書いた後は、その体験によって自分が考え、周囲の人や社会に提言したいことを書きます。

「私はこの体験から、人種差別の醜さを知りました。どこの国の人であっても同じ人間です。国が違うからという理由で差別をするような国で、これから新しいものが生み出されるとは思えません」など、その人権侵害によっての弊害を提言とするのも良いでしょう。

この部分は、人によってはやや攻撃的な文章となることがあります。それはいけないことではありませんが、読み手に共感をしてもらうためには、感情に任せた文章よりも論理的な文章の方がおすすめです。

人権作文を書くときの注意点

人権作文は基本的には自由に、思うように書いて良いものです。しかし、いくつか注意しておきたいポイントもあります。

人権を侵害しない表現を心がける

人権作文を書くときは、その作文自体が人権を侵害しないように注意しましょう。

たとえば「家庭が裕福ではないAさんが差別されるべきではありません。差別されるべきはAさんを差別していた〇〇さんです」などがその例です。

人権侵害をしている人なら、人権を侵害されても良いという書き方は次の差別につながります。

良いことばかり書かなくても良い

人権作文は、特に良いことばかりを書かなくてはならないものではありません。これは自分の行いについても同様です。

差別を受けている人に共感できなかった自分、差別をしている人と一緒になってその人の人権を侵害した自分、など過去の自分の過ちに触れることで、読み手も自分の過去に心当たりを見つけて共感できることがあります。

しかし、人権作文を書いている今の自分はもうそうではありません。自分の気持ちや考え方がどのように変化したのか、ということを文章にすることで、読み手の気持ちを動かすこともできるかもしれません。

【人権作文の例文①・書き出し部分】

タイトル「転校生」
二年生の六月のある朝、転校生の女の子が私のクラスにやってきました。
教室の前に立って先生から紹介されたとき、彼女の服はなんとなく古めかしい濃紺のセーラー服、それも冬用です。私たちの制服は、グレーのブレザーとタータンチェックのスカート。それに、もう夏だから、ブレザーなしでベストかワイシャツ姿でした。
私も含めてクラスの女子は皆、彼女の服装が気になっていました。どうして、この学校の制服に変えないの? と不思議に思っていましたが、それをたずねる前に、彼女が説明してくれました。
彼女はお父さんと二人暮らし。お父さんの仕事は、………
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【人権作文の例文②・書き出し部分】

タイトル「帰国生徒」
帰国子女というと、親の仕事の関係で海外で育ち、英語ができて、外国人の友達もいて、かっこいいというイメージがあります。テレビやマスコミで活躍している人も多いみたいです。
私のクラスの女子にも、帰国子女と皆から呼ばれていた人が一人いました。でも、彼女が育ったのはアメリカでもヨーロッパでもありません。親は、外交官でも、海外で仕事する大企業のエリートでもありません。彼女は中国帰国者の子供で、母親が戦争で中国に残された日本人の子、父親は中国人で、………