目次
「にすぎない」の意味
まずは、「にすぎない」の意味について解説します。
「~にすぎない」とは基準を超えていない
「~にすぎない」を、漢字で書くと「~に過ぎない」です。文字にする場合「にすぎない」「に過ぎない」と、どちらで記載しても問題ありません。
つまり「適度」「当たり前の程度」を表すのが「~に過ぎない」と言えます。
彼がミスをしたと言っても、経験の少なさによる軽度のミスに過ぎない
彼女は自分でグルメと思い混んでいるが、その実はただの食いしん坊に過ぎない
「~に過ぎない」は、ポジティブな内容にも、ネガティブな内容にも使えます。いずれのシーンでも、一定の基準を超えるほどではない様子を表すのが「~に過ぎない」です。
「にすぎない」を使ったビジネスフレーズ短文・例文
次に「~にすぎない」を使ったフレーズで、ビジネスシーンでも使えるものをご紹介します。
「理想に過ぎない」理想の域を超えていない
彼の言うことは、彼の理想に過ぎない、実現するには無理がある
私がイメージしていることは、今はただの理想にすぎないけれど、いつか必ず実現してみせる
「理想に過ぎない」とは、まだ想像の域を超えていないという意味です。現実的な問題や課題について策が練られているわけではない段階を指します。
「ほんの一部にすぎない」まだ全体の一部でしかない
会社で募集したところ、たくさんのアイデアが集まりました、ここにあるのはほんの一部にすぎません、まだ倉庫に1000枚保管してあります
社の周りを社員で掃除し、玄関付近はずいぶんきれいになりましたが、まだほんの一部にすぎません、来週は玄関の反対側の掃除が必要です
「ほんの一部にすぎない」とは、全体の中の一部しか明らかになっていない・手を付けられていないという意味です。全体を知るには、まだまだ調査や作業を進める必要がある、という場面で「ほんの一部にすぎない」が使われます。
「口実にすぎない」口実以外のなにものでもない
彼が部長と仕事の打ち合わせ、と言って休日に会っているのは口実にすぎない、彼は部長に取り入ろうとしている
課長は最近、忙しさを理由に残業をしたがるが、本当は奧さんとケンカをしていて帰りたくないからだ、たしかにうちの部署はいつも忙しいけれど、それは口実にすぎないよ
「口実にすぎない」とは、それがただの口実以上の何でもないという意味です。つまり「それは言い訳だろう」と言っているのと同じことと言えます。ちなみに「口実(こうじつ)」とは、言い逃れを目的とした言い訳のことです。
「方便にすぎない」お世辞でしかない
係長が私に「君は仕事が速くて優秀だ」と言うのは方便にすぎない、他の人にも同じことを言っているところを何度も見たことがある
A社がうちの新商品を褒めるのは方便にすぎない、その証拠に契約を匂わせるといつもごまかされる
「方便にすぎない」とは、それがお世辞であるという意味です。「方便」はわかりやすく言えば「お世辞」です。もしくは、何かの目的を達成するために、こちらが気を許しそうなことを意図的に言葉にすることも「方便」と言います。
「にすぎない」の言い換えに使える類語
次に、「にすぎない」の類語について解説します。
「にすぎない」の類語は「所詮」
「~にすぎない」と似た意味で使えるのは「所詮(しょせん)」です。
課長が言っていることは、所詮理想論だ
彼の気遣いは、所詮マニュアル対応でしかない
「所詮」とは、結局・最終的に、という意味の言葉です。
「にすぎない」の英語表現
最後に、「にすぎない」の英語表現について解説します。
「にすぎない」は英語で「is just」
日本語の「にすぎない」を英語で表す場合には「is just」を使います。
What he is saying is just an excuse.(彼の言っていることは言い訳にすぎない)
Mobile phones are just a means of communication.(携帯電話は通信手段にすぎない)
「just」とは「ただの~」という意味を持っています。その「ただの~」が持つニュアンスを、「~にすぎない」にあてれば、日本語の「にすぎない」に近い意味として伝えられるでしょう。