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「羞恥心」の意味と読み方
「羞恥心」という言葉は、日常会話だけでなく小説など文章の中でもよく使われています。「心」という文字が入っていることや、使われるシーンから、人の感情や心情についての言葉であることは予想ができそうです。
しかし、具体的に「羞恥心」がどのような心のことかまではわからないという人も多いでしょう。
まずは、「羞恥心」の意味と読み方について解説します。
「羞恥心」とは恥ずかしいと思う気持ち
「羞恥心」とは、簡単に言えば「恥ずかしいという気持ち」のことです。何かの出来事に対して、人が抱く「恥」の気持ちを「羞恥心」と言います。
人前で罵倒され、私は羞恥心でいっぱいだった
密かに書いていた日記を家族に見られてしまい、私は羞恥心に苛まれた
「羞恥心」には「恥」という文字が使われていますが、「羞」も「はずかしく思う」という意味を持っています。
羞恥心の読み方は「しゅうちしん」
「羞恥心」は「しゅうちしん」と読みます。
「羞」には、他にも「シュ・はずかし」という読み方がありますが、「羞恥心」の場合は「シュウ」と発音します。
「恥」にも、「はじる・はじらう」などの読み方はありますが、「羞恥心」の場合は「チ」です。
「羞恥心」の使い方と例文
「恥ずかしい」は形容詞ですが、「羞恥心」は名詞です。そのため、意味は同じでも文章内での使い方は異なります。
以下では「羞恥心」の主な使い方について解説します。
羞恥心がある・ない
「羞恥心」は、ひどく恥ずかしいと思うその気持ちが「ある・ない」と表すことができます。
彼には羞恥心というものがないのかと思った、なぜなら他人の手柄を毎回平気で自分のものにしてしまうのだ
私にも、そんな恥ずかしいことはできないという羞恥心があります、絶対に人を貶めるようなことはできません
「羞恥心がある」は、恥ずかしいと思う気持ちがあるという意味です。「羞恥心がない」は、恥ずかしいと思う気持ちがない、を意味します。
羞恥心を「強い」と一緒に使う
「羞恥心」は「強い」と一緒に使うことがあります。「強い羞恥心・羞恥心が強い」とは、言葉通り「大変恥ずかしいと思う気持ち」のことで、単なる「羞恥心」よりも恥じる気持ちが強くなります。
私は引っ込み思案なので、結婚式の余興に出るなんて絶対できない、という強い羞恥心がありました
彼女は実力があるのに、羞恥心が強いのかプレゼンだけは絶対に無理と言って聞かない
例のように、「羞恥心」が一定の度を超えている様子を「強い羞恥心・羞恥心が強い」で表します。しかし「羞恥心が弱い」とは言いません。その場合は「羞恥心がない」など、「ない」という表現を使います。
「羞恥心」の言い換えに使える類語
最後に「羞恥心」の言い換えに使える、類義語について解説します。
含羞
「含羞(がんしゅう)」とは、恥じらうことを表します。「羞を含む」と書くことから、表立った恥ずかしさよりも、自分の心の中で密かに感じる恥じらいの気持ち、というニュアンスが近いでしょう。
慌てて作成した書類に誤字が多く、私は含羞の思いだった
冗談で言ったつもりのことが相手に伝わらず、彼女の顔には含羞の色が浮かんでいた
「含羞」は、日常会話ではあまり使われていません。どちらかと言えば、小説など文章内で使われることが多いでしょう。
「羞恥心」ほど明確な感情ではなく、どちらかと言えば日常的に感じる「恥ずかしさ」に近いニュアンスがあります。
廉恥心
「廉恥心(れんちしん)」は、羞恥心とは意味が異なります。「廉恥心」とは、心が清らかで恥を知る気持ちのことです。
自分の子供たちには、人としての廉恥心を持っていてもらいたいと思っている
彼の心はいつも乱れているようで、気分次第で人に八つ当たりをする、廉恥心というものがないのだろう
「廉」には、いさぎよい・私欲がない・正しい、などの意味があります。その「廉」に「恥心」を付けると「人として恥ずかしいと思う気持ちを持っている、正しい心」となるため、漢字だけでは意味をはかり知るのが難しいかもしれません。