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是非 の意味と使い方・例文
「是非」(ぜひ)は漢語由来の言葉です。漢文では「是」が肯定(〜である)を、「非」が否定(〜ではない)を意味しますが、両方を合わせた熟語の「是非」では、「良いことと悪いこと」・「道理にかなったことと合わないこと」といった意味や、「物事の良し悪しの判断」という意味になります。
古い言葉であり、このような意味で文章中に使用する場合、現代でも通常は漢字で表記し、「ぜひ」と仮名書きにすることは余りありません。
一方、現代では平仮名で「ぜひ」と書き、会話やスピーチでもよく使われますが、これは「ぜひとも」(是非共)が本来の語形であり、「ぜひ」はその略語です。
「是非(ぜひ)」の例文(副詞)
「ぜひ(副詞)」の同義語は「どうしても」「絶対に」
副詞としての「ぜひ」の同義語は「どうしても」「絶対に」などです。相手に対して何かを強く願う時に使います。
正式には「是非とも」という言葉ですが、省略されて「ぜひ」と使われることが多い言葉です。
「ぜひお願いいたします」「ぜひお越しください」など、相手の立場を尊重しながらもこちらの「どうしてもそうしてほしい」「絶対にそうしてほしい」という心情を強く伝えたい時に「ぜひ」という言葉が使われます。
「是が非でもお願いしたい」「是が非でもやり遂げる」など、「それが善いことだろうが悪いことだろうが構わない、とにかく」という強い気持ちを表します。相手に対しても自分に対しても「ぜひ」の意味をさらに強めたい時に使われることが多いでしょう。
「ぜひ」はポジティブなものごとに使われる
「ぜひ○○してください」という表現は、相手に対してポジティブな行動を望む時に使います。
反対にネガティブなことについては「ぜひ」という言葉は使いません。
そんな迷惑な行為はやめてほしい」など相手の気持ちよりもこちらのネガティブな要望を伝える時には「そのような迷惑行為はおやめください」などとします。
「是非」の例文(名詞)
※ この「是非もない」は、思慮に欠ける、たわいもないという意味合いです。
※ この「是非もなく」は、仕方なくという意味です。
※ この「是非もない」は、仕方がない、止むを得ないという意味です。
「是非(名詞)」の同義語は「善し悪し」「賛否」
名詞としての「是非」の同義語は「善し悪し」「賛否」です。
ある物事について「これは良いことなのか、悪いことなのかを判断する」という場合に「この件についての是非を問う」とも言います。
主にはビジネスシーンなどで、フォーマルな表現として使われています。
口頭でも文章でも使うことができ、「ハッキリと判断しなくてはならない」「きちんと考えなくてはならない」といった、強く行動を促すイメージで使うことが多いでしょう。
「ぜひ」「是非」は目上の人にも使える
「ぜひ」も「是非」も正しい使い方であれば、目上の人へ使うことに問題はありません。
特に副詞としての「ぜひ」という言葉はあらゆるところで使われていますので、目上の人に対しても使う機会が多いでしょう。目上の人に「ぜひ」では足りない気持ちを伝えたい時は、「ぜひ」の正式な形である「是非とも」を使うと良いでしょう。