ひとえに・偏に の意味と使い方・例文
ひとえに(偏に)は「一重に」であり、「唯一」という意味です。
使い方には二種類あり、ひとつは、専らその状態であることや唯一その理由しかないことを強調する場合です。
もうひとつは、ある行為や行動に専念していることを強調する場合で、「ひたすら」・「一途に」といったニュアンスです。
ひとえに(偏に)の例文
「偏に(ひとえに)」の使い方
「偏に(ひとえに)」には「ただそれに尽きる」という意味と、「そのことだけをする様子」という意味があります。
「今回の件は偏に私の力不足が原因でございます」などとすると、同じ意味でお詫びの気持ちを表すこともできるでしょう。
つまり「偏に」という言葉の後に「名詞」が来れば「ただそれに尽きる」という意味となるのです。
一方、「ご無礼を偏にお詫び申し上げます」と言えば、「お詫びということだけをする」という意味ですので、「そのことだけをする様子」という使われ方がされていることがわかります。
また「この度はご成婚誠におめでとうこざいます、偏にお喜び申し上げます」とすれば、「ただただ喜ばしい」という気持ちを表すことができます。
つまり「偏に」の後に「動詞」が来ると「そのことだけをする様子」の意味で「偏に」を使うことができるのです。
このように「偏に」という言葉は単体ではどちらの意味であるかの判断をすることができません。前後の文章や話の流れによって意味を判別することになります。
「偏に」の言い換え
「偏に」には、いくつかの言い換えの言葉があります。
たとえば「ただただ」です。
「ただただ感激いたしております」などとすれば「ただ感激するだけに尽きている」という感激の極みを表現することができます。
わかりやすく考えるには「うれしい、ただそれだけだ」という気持ちが「ただただうれしい」となるのです。
しかし、ここでいう「それだけ」というのは「たったこれだけ」という意味ではなく「それだけで十分満足」という意味での「それだけ」を指していることに注意をしましょう。
また、「他でもない」という言い換えも可能です。
たとえば「今回の失態は、他でもない私の責任でございます」などとすることで「自分に責任がある」ということを強く表すことができます。
また、「他でもない」という表現は人を称える時にも使われます。「他でもない、○○さんの尽力によってプロジェクトは成功を収めました」などとすることで、○○さん一人を称えることができます。