上司や目上の人の間違いを指摘する!失礼にならない例文12パターンとNGワード!

目上の人の間違いについての指摘は難しい

人の間違いを指摘するのが苦手という人は多いでしょう。相手を否定するようで、何となく苦手意識を持ちやすいものかもしれません。

それが目上の人となれば、なおさらです。以下では「目上の人の間違いを指摘する際に使えるフレーズ」について解説します。

目上の間違いを指摘する言葉文例

上司・目上の人の間違いを指摘するときに、必ず必要になるのが「クッション言葉」と「気遣い」です。

上司・目上の人が、自分よりも下の立場の人から間違いを指摘される、という状況は相手にとって居心地の良いものではありません。

相手に間違いの指摘を受け入れてもらうためにも、クッション言葉と気遣いが欠けることのないように意識しましょう。

大変申し上げにくいのですが

「大変申し上げにくいのですが…」は、言いにくいことを言う場面でよく使われます。

部長、大変申し上げにくいのですが、部長がA社に送られたメールの内容が、現状と少し異なるのではないかと思うのですが…

課長、大変申し上げにくいのですが、今は令和2年ではなく令和3年ですので、この書類の訂正をお願いしてもよろしいでしょうか…

佐藤様、大変申し上げにくのですが、この製品は弊社Aのものではなく、B社様のものではないかと…

この「大変申し上げにくいのですが」を発した時点で、相手は自分に何か非や誤りがあるのではないか、と察することができます。相手が思考を巡らす時間稼ぎの意味もあり、間違いの指摘の場面では非常に有効な言葉です。

また、例文の最後がすべて「…」になっているのは、相手への気遣いを表すニュアンスです。通常であれば、言葉はきちんと最後まで発するのが会話のマナーですが、誤りを指摘する場合は濁した方がやわらかな印象となります。

 

わたくしも気がつかなかったのですが

「わたくしも気がつかなかったのですが」は、相手に「間違うのも無理はないかもしれない」と暗に伝えるフレーズです。

最初はわたくしも気がつかなかったのですが、書類のこの部分が先日の決定内容と異なるようです

わたくしも他の方に指摘されて気がついたのですが、部長の作成された資料が1枚抜けているかもしれません

わたくしがすぐに気がつけば良かったのですが、今回ご結婚されたのはA社の田中様のお嬢様ではなく、B社の田中様のお嬢様だったようです

ミスをした目上の人の心情を慮って使われるのが「わたくしも気がつかなかったのですが」です。間違いをした人は、恥ずかしいという気持ちを持ちやすく、その恥ずかしさからミスを認められない人もいます。

「自分も間違いに気がつかなかった」と、相手の気持ちに同調することでミスのリカバリーに移りやすくなるのがこのフレーズのメリットでしょう。

わかりにくかったと思うのですが

「わかりにくかったと思うのですが」は、自分が相手に依頼した仕事などに相手がミスをした場面で使えます。

部長、わかりにくかったと思うのですが、ここにはご捺印ではなくサインをお願いできますでしょうか

田中様、大変恐れ入ります、お分かりになりにくかったのだと思うのですが、このキャンペーンは先週末で終了いたしておりまして…

わたくしの字が読みにくかったのだと思うのですが、先方のお名前は鈴木様ではなく田中様です

「わかりにくかったのだと思うのですが」の他にも、手書きのメモなどを渡していた場面では「字が読みにくかったのだと思うのですが」も使えます。

いずれにしても、相手の間違いを責めるのではなく、わかりにくい・読みにくいなど、他の要因が原因であるのだろう、と相手をかばうニュアンスを持っています。

わたくしの認識が誤っていたら申し訳ありません

最後は「わたくしの認識が誤っていたら申し訳ありません」です。

佐藤部長、私の認識が誤っていたら申し訳ありませんが、A社への訪問は明日ではなく本日ではないでしょうか

佐藤様、私の認識が誤っていたら申し訳ございませんが、佐藤様がご注文なさった商品はAではなくBではございませんでしょうか

私の記憶違いであれば申し訳ないのですが、A社の佐藤様がいらっしゃったのは先週ではなく、先々週ではありませんでしょうか

「私の認識が誤っていたら申し訳ないのですが」の他にも「私の記憶違いであれば~」という表現があります。どちらも相手のミスを確認する場面で使われるフレーズです。

もし相手の言っていることに誤りがなければ「認識違い(記憶違い)でした、申し訳ありません」と謝ることができますし、相手がミスに気がつくためのヒントになる可能性も高いでしょう。

目上の人の間違いを指摘する際のNGワード

目上の人の間違いを指摘する際に、誤った言葉を使うと、ミスの内容によらず相手に不快な思いをさせることになります。

以下では、目上の人の間違いを指摘する場面で使ってはいけないNGワードをご紹介します。

違います

上司・目上の人がしたことが明らかに誤っていたとしても「違います」という言葉は使わない方が無難です。

部長、ここの日付が違います
→部長、この日付ですが、今日は3月3日ではなく4月3日かと存じます

佐藤様、それは佐藤様の解釈が違います
→佐藤様、大変申し上げにくいのですが、誤った情報が伝わっているかもしれません、今一度ご説明させていただけませんでしょうか

どうしてこうなったのですか

間違いやミスには必ず原因があります。しかし、目上の人の間違いに対して「どうしてこうなったのですか」と追及することはしないのがマナーです。

佐藤部長、契約書の金額が違います、どうしてこうなったのですか
→佐藤部長、契約書の金額が相違しているようです

佐藤様、記載していたご住所へお送りしたところ返送されたのですが、なぜこうなったのでしょうか
→佐藤様、記載していただいたご住所へお送りしたところ返送されて参りました、もう一度ご住所の確認をさせていただけませんでしょうか