「捉える」の意味と例文!心を捉えるとは?

「捉える」の意味とは

「捉える」は、意味の説明が難しく、何となくニュアンスで把握している人が多い言葉かもしれません。「捉える」には、大きく分けて2つの使い方があります。

まずは、基本的な「捉える」の意味と、「捕らえる」との違いについて解説します。

意味や状況・問題などを把握する様子が「捉える」

「捉える(とらえる)」とは、その物事の意味や置かれている状況、または問題点などを把握する、という意味で使う言葉です。

部長が仰りたいことは捉えているつもりです

今回の件で、何が問題だったかを捉えている人はいますか

私はその言葉の意味を捉えていないかもしれません

「捉える」を、一度「わかる・理解する」などに置き換えてみると、意味がわかりやすいかもしれません。

「捉える」の持つ意味は、後の「使い方」の見出しで理解を深められると思いますので、この時点ではいったん「わかる・理解する」という意味だな、と考えておいてください。

物理的に何かを捕まえる様子が「捕らえる」

「とらえる」と同じ読み方で「捕らえる」があります。この「捕らえる」は「つかまえる」のやや改まった言い方です。

私はその人の袖口を捕らえた

警察官はあっという間に、その強盗を捕らえてしまった

彼はライオンがその草食動物を捕らえる瞬間を見た

「捉える」がやや抽象的な意味合いであるのに対し、「捕らえる」は具体的に「何かを捕まえる」という意味です。「捕獲する」の「捕」が使われているので、腕や体を握って捕まえる、というイメージも湧きやすいでしょう。

「捉える」の使い方と例文

次に、「捉える」の使い方を例文と一緒に解説します。「捉える」には、主に2つの使い方があります。

物の特徴を捉える

まずは「物の特報」についての「捉える」です。

彼女の描く絵は、人物の特徴をよく捉えています

その商品の特徴を捉えることが、上位商品を作成する第一歩だと思う

「物の特徴を捉える」とは、その物の形や影、匂いや感触、機能やデザインなどさまざまな要素を把握しているという意味です。

その物や物事について、大まかな部分は大抵把握できている、という意味を伝えたい場合に「〇〇の特徴を捉えた」などと表現できます。

人の心を捉える

「人の心を捉える」とは、人を感心・感動させる、または掌握するという意味です。

彼女の歌声は人の心を捉えて離さない

彼は大変聞き上手で、すぐに人の気持ちを捉えてしまうのです

人の心は形が決まってはいないものなので、実際にそれを捉えられているかはわかりません。

しかし、何かによってその人の気持ちが動かされた、惹きつけられた、という現象が起きることがあります。そんなときに「心を捉える」と表現します。

「捉える」の言い換えに使える類語

次に、「捉える」と似た意味を持つ類義語について解説します。

把握する

「把握」は、日常のビジネスシーンでも頻繁に使われている言葉です。「捉える」の言い換えとしてはとても使いやすいでしょう。

状況を把握しているのは、私と田中君です

彼がすべてを把握したときには、もう手遅れだった

「把握」とは、簡単に言えば「理解し、心得ている」という意味です。状況やその現象を、その人が理解している、様子を心得ている、という場合に「把握」が使えます。

「把握」は「捉える」に比べると、具体的です。「捉えています」よりも「把握しています」の方が、その人の理解度が高い、と判断する人は多いでしょう。

魅了する

「魅了(みりょう)する」とは、人の心を捉えることです。その人の姿かたちや、才能・スキルなどについて使われます。

そのアーティストの歌に魅了されたのは私だけではなかった

私はいつか人を魅了するような舞台女優になりたい、と彼女は言っていた

「魅了する」は、主には芸術面について使われる言葉です。観た人を虜にするような、素晴らしい芸や、美しさなどについて使われます

「人の心を捉える」の言い換えとして使えますが、「捉える」よりも「魅了する」の方が、さらにその感動が強いことが伝わりやすいでしょう。

「捉える」の英語表現

最後に、日本語の「捉える」を英語で表現する言葉について解説します。

「捉える」は英語で「to grasp」

「捉える」を英語で表現する場合は「to grasp」を使います。「grasp」とは、捉える・つかむ、という意味です。

I feel that it’s important to grasp the meaning of what someone is saying.(私は話の本質を捉えることの重要性を感じる)

I don’t get what he was talking about.(私は彼の話を捉えられなかった)

「get」を使って、「捉える」を表現することもできます。下段の例文のように、「I don’t get~」で「~を捉えられない」となるので、応用しやすいかもしれません。

ビジネスの場など、ややフォーマルな場面では「to grasp」、日常会話では「(to)get」、と使いわけると良いでしょう。