平素 の意味と使い方・例文
平素とは、「普段」「平常」という意味であり、「いつも」という副詞的な使用法もあります。
ビジネス文書では普段のご愛顧に対する謝辞の中で使われることが圧倒的に多い言葉ですが、感謝の文面以外でも使用されます。
平素の例文
新緑の候、貴社益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。また平素より一方ならぬご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
平素は□□□サービスをご利用いただき誠にありがとうございます。
これも偏に平素のご指導・ご鞭撻の賜物と衷心より御礼申し上げます。
平素の叱咤激励の甲斐あって、愚息もようやく料理人らしくなってまいりました。
平素ご無沙汰致しまして誠に申し訳ありません。
平素ご利用の皆様には大変ご迷惑をお掛けいたします。
ご家庭での地震対策は、平素からの備えと心構えが大切です。
「平素」「日頃」の違い
「平素」というと「いつも」「普段」という意味であるため、「日頃」という言葉と混同してしまいがちです。
平素と日頃に大きな違いはありませんが、厳密に言うとそれぞれが持つ意味に多少違ったニュアンスを持っています。
まず「日頃」には「かねてから、いつもこうだ」という意味があり、基本的には「毎日のように続くこと」を指しています。
「日頃からの感謝にお礼申し上げます」などは、お得意様などに向けられることが多いでしょう。また、「日頃」は文書だけではなく口頭でも頻繁に使われている言葉です。
一方「平素」は「特別のことが起きていない時」を指しています。
「特別のことがない日常では、何の問題もなく」という意味ですので、「平素より、格別のご高配を賜り、暑く御礼申し上げます」と言うと「今のところ、何の問題もなく」とか「お互いに変わりない現状において」という意味を持っています。
また、「平素」は文書でしか使われることはありません。
どちらも「いつもありがとうございます」「いつもお世話になっております」など、相手へ感謝や挨拶を伝える際になくてはならない格式のある言葉と言えるでしょう。
平素の類語・別の言い方・言い換え
「平素」にはいくつかの言い方があります。「いつも」「普段」そして「平生(へいぜい)」です。
「平生」も同じように「特別のことが起きていない時」を指して、相手へ「いつもの」「通常」という意味を伝える時に用いることができます。
しかし、一般的にビジネス文書であっても「平素」「いつも」「普段」という言葉が使われていることが多く、あえて「平生」を使う機会はないという人も多いでしょう。
「平生」という言葉は、相手からの文書に書いてあった時に、読み手であるあなたが「意味がわかる」という程度の認識で問題ありません。
平素の間違った使い方
「平素」という言葉は、言葉の持つ意味から、会ったことがない人や知らない人へ使うことはできません。
たとえば、「今後お付き合いをしたいと考えているだけの段階」の企業担当者などへ宛てた文書で「平素より」と書いてしまうと相手は違和感を持ってしまいます。
まだお付き合いが始まっていない相手へは「はじめてお便り差し上げます」「突然のお手紙を差し上げる失礼をお許しください」など、全く別の言葉を使うことになりますので注意しましょう。