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「値踏みする」の意味と例文
「値踏みする」はビジネスシーンや、日常会話で比較的頻繁に使われている言葉です。しかし、「値踏みする」には、2通りの使い方があります。
まずは、「値踏みする」の本来の意味を例文と一緒にみておきましょう。
「値踏みする」とは値段を見積もること
「値踏みする」とは、物の値段を見積もることです。その物を見て、「おおよそいくらくらい」と見当をつけることを「値踏みする」と言います。
彼はその商品の単価から仕入れ値を値踏みした
私の値踏みでは、予算内で収まると思います
先方に聞いたところ、事前の値踏みとほぼ同じ金額でした
「値踏みする」の使い方
次に、「値踏みする」の使い方について解説します。
人の価値を見積もる意味での「値踏みする」
「値踏みする」は、先に解説した「物の値段を見積もる」という使い方の他に、「人の価値を見積もる」という意味もあります。
彼は人のことを値踏みするように見るから、あまり好きではない
私はつい相手のことを値踏みするように見てしまう癖があるようだ
誰だって、人に値踏みされるのは嫌でしょう
人は物のように値段をつけられるものではありません。その「人」に、まるで値段をつけようとしているかのような様子を「値踏みする」で表します。
「値踏みするような視線」はジロジロと見る様子
人を値踏みする、という意味で「値踏みするような視線」という表現があります。その人に値段をつけようとしているかのような、不躾な視線が「値踏みするような視線」です。
そんな踏みするような視線を人に向けるのは失礼ですよ
彼は悪気はないのだが、人を値踏みするような視線で見てしまうから、大抵悪い印象を持たれている
相手はあなたから値踏みするような視線を向けられた、と大変ご立腹です
「値踏みするような視線」を具体的に言えば、遠慮なくジロジロと見るような視線です。その人の頭のてっぺんからつま先まで、無遠慮に視線を巡らせる様子を言います。
「値踏みする」の言い換えに使える類語
次に、「値踏みする」の言い換えに使える類語について解説します。
品定め
「品定め(しなさだめ)」とは、その品物の良し悪しを見極める様子です。「値踏みする」は値段を見積もることですが、どんな品物も品定めをした上で見積もるため、「値踏みする」の言い換えにも使えます。
その人は、私を品定めでもするようにジロジロと見ていた
彼は対戦相手を品定めした後、悠々とロッカールームへ帰って行った
「品定め」も「値踏みする」と同じで、純粋に物の良し悪しを見極める場合だけでなく、人の価値や実力を見極める際にも使われる言葉です。
見積もる
「値踏みする」の本来の意味を言い換えるのであれば「見積もる」があります。「値踏みする」はその物の値段を見積もることなので、同じように使って問題ありません。
だいたいで良いので、いくらくらいかかりそうか見積りを出してください
私の見積りでは、およそ100万円ほどかと存じます
「見積もる」は、人に対して使うことがありません。たとえ「人を見積もるように見る」などと言ったとしても、「値踏みする」のように意味が通ることはないので、使い方に注意しましょう。
ただし、自然な表現とは言えませんし、「まるで」など別の言葉を組み合わせる必要も出てきます。
足元を見る
「足元を見る」とは、その人の弱点につけこむという意味です。
彼はこちらの足元を見て、値切ろうとしているそうだ
あなたはそうやって人の足元ばかり見ているから、大事な相手の変化に気がつかないんじゃないの
「足元を見る」は、主に相手の金銭的な弱点に付け入る様子を表します。「値踏みする」のように、その人自身の価値を探ろうとするわけではありませんが、結局は相手の心の中にある弱い部分に注目し、そこを突こうとしています。
ただし、たとえば「彼は私を値踏みするように見る」というフレーズを、「彼は私の足元ばかり見る」と言い換えることはできません。
「彼は私の足元ばかり見る」だと、その彼が私の弱点をついている、という別の意味となるので注意が必要です。