目次
「油断大敵」の意味と語源
まずは「油断大敵」の意味とその語源について解説します。
油断大敵とは「油断は物事の失敗の元であり敵」を意味する四字熟語
「油断大敵」とは、四字熟語の一つです。意味は「油断は物事の失敗のもとであり、成功の敵」です。
油断大敵とはよく言ったものだ、彼はたった1本の連絡を後回しにしたせいで、大事な取引先をなくしてしまった
成功のためには、些細な失敗も許されない、油断大敵という言葉を胸に一歩一歩進んで行こう
油断大敵の語源は「仏教の経典」
「油断大敵」の語源は諸説ありますが、有力なのは「仏教の経典」のようです。仏教の経典「北本涅槃経」に載っている逸話が「油断大敵」の元になっていると言われています。
あるインドの王が、家来に対して「油を入れた壺を持って町を歩き、油を一滴でもこぼしたら処刑をする」と言いつけました。この話から、細心の注意を図らないと大変なことになる、という意味で「油断大敵」の語源となったそうです。
「油断大敵」の使い方と例文
次に「油断大敵」の使い方を例文と一緒に解説します。
「油断大敵」は注意を促す場面で使う
「油断大敵」を使うのは、主には他人や自分自身に対して注意を促す場面です。相手や自分が失敗をしないように、あらかじめ「油断大敵」という言葉を使って戒めます。
努力の甲斐あって、第一希望の企業へ入社したが、油断大敵、何があるかわからないのだから、いつも注意をしながら仕事に励みなさい
先方からは良い返事をいただいていますが、A社もアプローチをしているようです、引き続き油断大敵の気持ちで取り組みます
「油断大敵」は、「今思えばあの時、ああしていれば…油断大敵だった」など、何か失敗が起きてから使うこともできます。
「油断大敵火がぼうぼう」と「油断大敵」は無関係
「油断大敵」と似た音を持つ言葉に「油断大敵火がぼうぼう」があります。しかし、「油断大敵火がぼうぼう」と「油断大敵」は関係がない、まったく別の言葉です。
「油断大敵火がぼうぼう」とは「油を断つと火が消えてしまう」という意味のことわざです。「ぼうぼう」は、火が燃え盛る音ではなく、火が消えることを意味する「亡亡」と書きます。
「油断大敵」の類語と対義語
次に、「油断大敵」の言い換えに使える類語と、反対の意味の対義語について解説します。
「油断大敵」の類義語はことわざ「一寸先は闇」
「一寸先は闇(いっすんさきはやみ)」とは、「ほんの少し先のことさえ確実ではなく、予測はできない」という意味のことわざです。
仕事も家庭も上手く行っていた彼が、思わぬ事故に巻き込まれてこの大事な時期に半年間の休職とは…一寸先は闇とはよくいったものだな
一寸先は闇というくらいだから、日ごろから注意を怠らず、リスクヘッジにも力を入れておこう
「一寸」とは昔の測定単位で、現代の「3センチほど」にあたります。
「油断大敵」の対義語はことわざ「備えあれば患いなし」
「油断大敵」とは反対の意味を持つことわざに「備えあれば患いなし(そなえあればうれいなし)」があります。「備えあれば患いなし」とは、きちんと準備をしておけば、何があっても安心できる、という意味です。
日頃から災害に備えて、必要なものをベッドの隣に置いている、備えあれば患いなしだ
長旅は何があるかわからないのだから、備えあれば患いなし、財布とは別のところにお金を少し入れておいた方が良いよ
「油断大敵」の英語表現
最後に「油断大敵」の英語表現について解説します。
「油断大敵」は英語で「Don’t be too sure of yourself」「Security is a great enemy」
「油断大敵」は英語の「Don’t be too sure of yourself」または「Security is a great enemy」で表すことができます。
Don’t be too sure of yourself.Please confirm this matter one more time(油断は大敵、もう一度確認しておきなさい)
My mother said security is a great enemy.(母は油断大敵、と私に言った)
「Don’t be too sure of yourself」とは、「自分自身を信じすぎるな」という文章で「油断大敵」の要素を含んだフレーズです。「Security is a great enemy」は、「安心は最大の敵」という意味です。どちらも、意味を解釈すると「油断大敵」を表現していることがわかります。