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「工夫」の意味と語源
「工夫」は、言葉としては非常に広く認識されています。そのため、ほとんどの人があまり深く考えずに「工夫」を使っているかもしれません。
しかし、く知られている言葉ほど、本当の意味や使い方には注意が必要です。以下では「工夫」の意味と語源について解説します。
「工夫」の意味は方法を尽くすこと
まず、「工夫」とは「最善の結果を求めて考えられる限りの方法を尽くすこと、またはその方法」です。
もっと工夫をしてみれば、あなたの残業時間は減らせるかもしれない
私は昔から工夫をすることが苦手で、要領が悪いと言われます
彼は時間の工夫をすることで、仕事も家庭も上手く回しているそうだ
現状のまま、あるいは規定のままではなく、それがより良い結果となるように考えて手を尽くすことを「工夫」と言います。
「こうふ」は土木作業員
「工夫」は「くふう」と読みます。
しかし、同じ漢字を書いて「こうふ」と読む場合もあります。
「こうふ(工夫)」とは、土木作業をする人のことです。この「こうふ」と読む場合は、「くふう」とは意味が異なります。
同じ漢字を使うので、状況によって読み方と意味の解釈を変えるようにしましょう。
「工夫」の語源は人夫工手間
「工夫」という言葉は、日本でも古くから使われていますが、その語源はさらに古い中国にあると言われています。
「工夫(くふう)」の語源は「人夫工手間」です。「人夫工手間」とは、職人が作業をする時間のことです。中国では現代でも、何かに費やされる時間のことを「人夫工手間」と言うそうです。
「工夫」の使い方と例文
次に「工夫」の使い方を例文と一緒に解説します。
「工夫を凝らす」はさらに手を尽くすこと
工夫は「工夫をする」とも言いますが、「工夫を凝らす(こらす)」というフレーズで使われることもあります。
先方はもっと工夫を凝らしたサービスを希望されています
すぐに諦めてしまわず、工夫を凝らすという思考を持ってみてはどうだろう
工夫を凝らしたと言うけれど、これは昨年の作品とどこが違うのだろうか
「凝らす」とは、打ち込むという意味を持つ言葉です。この「凝らす」を使って「工夫を凝らす」とすると、「さらに工夫に打ち込む=より工夫を重ねる」という意味になります。
工夫を施すは手を加えること
「工夫をする」を言い換えると「工夫を施す(ほどこす)」になります。「施す」とは影響や効果があるように仕向ける、という意味です。
細かいところまで工夫を施した新製品は、お客様に大変人気です
工夫を施すことで、他社製品との差別化を図りたいと考えています
彼女は工夫を施すことに長けているので、業務の効率化推進を担当してもらってはどうでしょう
「施す」を使うことで、「工夫をする」よりもさらに効果や影響に特化した印象を強くすることができます。
「工夫」の言い換えに使える類語
次に、「工夫」と似た意味を持つ類語について解説します。
知恵を絞る
「知恵を絞る」は比喩表現です。実際に形のない「知恵」を絞ることはできませんが、「絞るほどによく考える」という意味で使われます。
彼は今回の商談成立に向けて、毎日知恵を絞っているようだ
もっと使いやすい商品になるよう、チームで知恵を絞っているところです
いずれにしても「知恵を絞る」を使うことで、その人が工夫をしようと努力している様子が伝わります。
細工
「細工(さいく)」とは、細かい部分に対して行う工夫のことです。ある1点に注目して、その部分をより精密に仕上げていく様子を表します。
この製品はさまざまな細工がされているため、ユーザーにもきっと満足してもらえるでしょう
細工をしたからと言って、必ずしもそれが良い結果を招くとは限りません
「工夫」の英語表現
最後に「工夫」の英語表現について解説します。
「工夫」は英語で「planned out」
「工夫」は「planned out」と「thought out」のいずれかで表現することができます。
It is planned out until the end.(最後まで工夫されている)
For it to be thought out until there is amazing.(そこまで工夫されていて素晴らしい)
「planned out」は「やり切った」、「thought out」は「考え抜いた」というニュアンスの言葉です。いずれも「工夫」をするには欠かせない要素であるため、「工夫」の英語表現として使われています。