「誠心誠意」の意味と使い方!誠心誠意努めるとは?

「誠心誠意」の意味

「誠心誠意」は、日常からビジネスの場まで幅広い場所で使われている四字熟語です。「誠心誠意」という漢字から、何となく意味を把握できるため、改めて自分が正しく使えているか、とはあまり考えない言葉かもしれません。

まずは「誠心誠意」の意味について、以下で解説します。

「誠心誠意」は心を込めて真摯に取り組む様子

「誠心誠意」とは、一言で言えば「気持ちを入れて、心を込めて、真剣に真摯に取り組む」という意味です。取り組む内容に定義はなく、仕事・勉強・プライベートなこと、どんなことについても使えます

御社にご安心いただけるよう、誠心誠意取り組ませていただきます

彼は確かにまだ経験が浅い社員です、しかし何事にも誠心誠意取り組む気持ちを持っています

私にできることは、誠心誠意お客様と向き合うことだけです

例文は、主にビジネスの場で使われる「誠心誠意」です。自分がその物事について、心を込めて真摯に取り組む、ということを伝えたい場面で使います。

「誠心誠意」は、たとえば「頑張ります」「ちゃんとやります」という言葉に置き換えられないわけではありません。しかし、社会では「頑張る、ちゃんとする」などの表現は幼く見られやすく、ビジネス感に足りないと判断されることが多いでしょう。

反対に考えれば、自分が「本当に頑張る、ちゃんとする」と思ったときに、「誠心誠意」を使うと正しく使えるはずです。

「誠心誠意」の使い方と例文

次に「誠心誠意」の使い方を、例文と一緒に解説します。

「誠心誠意努める」は誠実に力を尽くす様子

「誠心誠意努める(つとめる)」は、頻繁に使われるフレーズのひとつです。「努める」には「力を尽くす・努力する」という意味があります。

つまり「誠心誠意努める」とは、心を込めて真摯に力を尽くします、という意味です。

今回のプロジェクトメンバーに選出いただきありがとうございます、誠心誠意努めて参ります

彼の良いところは、何と言っても仕事の大小にかかわらず誠心誠意努めることだろうな

簡単な仕事だからと言って手を抜かず、誠心誠意努めなさい

「つとめる」には「努める」以外にも複数の漢字表現があります。

「勤める=仕事につく」「務める=役目を受け持つ」ですので、「誠心誠意つとめる」には「努める」しか当てはまりません。文字で表す場合は漢字の間違いに注意しましょう。

座右の銘や決意表明の場での「誠心誠意」

次に、座右の銘や節目の決意表明の場で使う「誠心誠意」です。

私の座右の銘は「誠心誠意」です、どんなことにも気持ちを込めて取り組みます

この度はご採用いただき誠にありがとうございます、一日も早く御社の戦力となれるよう、誠心誠意取り組ませていただきます

私はこの会社をもっと大きくしたいと考えている、これからも社員一丸となり、誠心誠意頑で張っていこう

「誠心誠意」は、その言葉の意味から改まった場で使われることが多い言葉です。自分が「気持ちを入れて、真剣に真摯に取り組みたい」と考えたときの、表現のひとつとして覚えておくと良いでしょう。

尚、「誠心誠意頑張ります」という表現はあまり適切ではありません。意味がまったく通らないわけではありませんが、「誠心誠意」自体に「頑張る」という意味合いが含まれているため、表現がダブってしまうからです。

謝罪や挨拶の場での「誠心誠意」

次に、人へ謝罪をする場面や、挨拶をする場面での「誠心誠意」です。

【謝罪】
この度は大変申し訳ございませんでした、今後このようなことがないよう、商品発送時の商品取り扱いについて誠心誠意調査をし、直ちに改善いたします

【挨拶】
本日より営業部へ配属となりました田中です、営業の仕事は初めてで何かとご迷惑をおかけするかと思いますが、誠心誠意取り組んで参りますので、みなさんご指導のほどよろしくお願いいたします

「誠心誠意」は、謝罪や挨拶の場でもよく使われています。不快な思いをさせた相手や、初めて会う相手・改めて気持ちを伝えたい相手へ向けるには良い言葉でしょう。

しかし、「誠心誠意」は日常でも頻繁に使われているため、使い方によっては軽く受け取られることもあるようです。

きちんと気持ちを伝えたい場合は、「何をどのように誠心誠意行うのか」という部分まで言葉にするように意識してみてください。

「誠心誠意」の言い換えに使える類語(四字熟語)

次に、「誠心誠意」と似た意味を持つ類義語について解説します。

一意専心(いちいせんしん)

「一意専心」とは、ひとつのことを集中して行うことです。

この度はご契約をいただき誠にありがとうございました、田中様のご期待に添えるよう一意専心で取り組ませていただきます

彼は一意専心、何事にも一つひとつ集中してやってくれるので本当に安心しています

「誠心誠意」と同じように、心を込めて真摯にことに当たるという気持ちを伝えられる四字熟語です。

ただし「一意専心」は、「誠心誠意」よりもさらにやろうとしていることの的が絞られた言葉でもあります。何を具体的に行うのかがわかっていない状態で使う言葉ではありません。

自分がやるべきことが明確で、それによって何を目指すのか、という点が明確になっている場合に「一意専心」を使うと、集中して取り組む気持ちが伝わりやすくなるでしょう。

一生懸命

「一生懸命」は、現代の日本人にもなじみが深い言葉です。一般的に理解されているように、気持ちを込めて取り組むという解釈で問題ありません。

どんなことにも一生懸命な彼は、お客様からも大変人気がある

私には大した力はありませんが、何でも一生懸命やることには自信があります

「一生懸命」は、本来の形である「一所(いっしょ)懸命」と表現されることもあります。現代ではどちらも誤りではありません。

「一生懸命」よりも「一所懸命」の方がやや古い言葉であるため、相手や状況によって使い分けても良いかもしれません。